2020年06月22日 12:28 公開

英南部レディングの公園で20日夜に次々と人を刺し、6人を殺傷した疑いの容疑者は、英保安部(MI5)が以前から把握していた人物だという。消息筋がBBCに明らかにした。

警察によると、逮捕されたカイリ・サアダラ容疑者(25)はレディング在住で、単独犯と見られている。事件は現在、テロ事件として捜査されている

捜査筋によると、容疑者はもともとリビア出身で、2019年にMI5に認識されるようになったという。

捜査を担当する南東部対テロ警察(CTSPE)は、20日に殺人容疑で逮捕されたレディング在住の25歳男性を、2000年対テロ法41条違反の疑いで再逮捕したと発表した。

BBCのドミニク・カシアーニ内政担当編集委員が取材したところ、治安当局が最初に容疑者に注目したのは、テロ目的で海外渡航を意図しているという情報を得たことがきっかけだった。MI5が捜査に着手したが、当時は具体的な脅威につながる内容は見つからなかったという。捜査継続のための事件ファイルも作成されなかった。

容疑者の友人、キーラン・ヴァーノンさんはBBCのダニエル・サンドフォード内政担当編集委員に、サアダラ容疑者は「普通の本物の奴」で、一緒に大麻を吸う相手だったと話した。

「自分やあなたと同じ、普通の人間に見えた。会うときはいつも、ウイスキーをどう飲むとか、色々なガンジャ(大麻の一種)が考え方にどう作用するかとか、そういうたわいもない話ばかりしていた」

事件では3人がレディングの公園で刺されて死亡し、3人が負傷した。負傷者のうち2人は退院。1人は入院治療が続くが、命に別状はないという。

死亡した3人のうち、教師ジェイムズ・ファーロングさん(36)の情報が公表された。

レディング近郊ウォーキンガムの学校で歴史や公民、政治の主任教師だったファーロングさんの家族は、「素晴らしい人」、「美しい、知的で正直で、楽しい人」だったとしのんだ。

勤務先のホルト学校は、ファーロングさんを「使命感の強い」「優しい穏やかな人だった」とたたえた。

ボリス・ジョンソン英首相は、公園での襲撃事件に「ショックを受け、ぞっとしている」と述べ、「学ぶべき教訓があるなら」しかるべく対応すると話した。首相はこれには、テロ法違反の服役者が自動的に早期釈放される現行制度の改変も含まれると述べた。

ロンドン警視庁の対テロ捜査トップ、ニール・バス副総監は、「悲惨な事件」だとして、遺族に「深い哀悼」の気持ちを伝えた。

副総監によると、事件に共犯はいないと今のところみているという。


(英語記事 Reading stabbing attack suspect Khairi Saadallah known to MI5 - sources