田中秀臣(上武大学ビジネス情報学部教授)

 ツイッターの政治風刺アカウントとして有名で、筆者と同じくアイドル業界にも詳しい「全部アベのせいだBot」をフォローしていると、面白いニュースに気が付くことが多い。6月22日朝、その「全部アベのせいだBot」が東京新聞の望月衣塑子(いそこ)記者に関するニュースをネタに投稿していたが、とても興味深い内容だった。

 それは、「東京新聞『望月衣塑子』記者の弟が “詐欺まがい” オンラインサロン会員から悲鳴」と題する『デイリー新潮』の記事だ。望月記者の実弟、龍平氏の運営する会員制サロンに関するいくつかの「疑惑」が指摘されている。

 この「疑惑」の真偽について、筆者は正直なところ関心外である。ただ、記事に出てくる経済評論家の上念司氏のイラク通貨の「ディナール詐欺」についての解説は参考になるので、ぜひ熟読してほしい。一般的な意味で、オンラインサロンで蔓延(まんえん)するという「外貨詐欺」からの自己防衛として、役に立つことだろう。

 実弟の「疑惑」について、望月記者は弟と連絡をとっていないとした上で「オンラインサロンについての詳しいことは分からないので、コメントは控えさせてください」と答えたと、記事は結ばれでいる。

 当たり前だが、家族のことであれ誰であれ、本人が責任を負うことがない事例で、他人に批判される筋合いは全くないと筆者は思う。ただ、望月記者の今までの「記者の作法」を思えば、どうしても単純な疑問が沸いてしまう。

 望月記者は安倍昭恵首相夫人について、「花見パーティーに続き、今度は山口に旅行とは。。 #安倍昭恵 夫人には誰も何も言えないのか」とツイッター上で批判していた。筆者は、昭恵夫人が新型コロナウイルスの感染拡大への警戒が強まる中で、大分に行こうが花見パーティーを開こうが、それが公益を侵すことがなければ何の関心もない。望月記者がこのような批判をするのは、昭恵夫人が「首相夫人」であることを抜きに考えることは難しいだろう。

オマーンのマスカット国際空港に到着した安倍首相と昭恵夫人=2020年1月(代表撮影)
オマーンのマスカット国際空港に到着した
安倍首相と昭恵夫人=2020年1月(代表撮影)
 首相夫人は、政府見解では私人扱いであり、大分に行こうが花見パーティーをしようが、それは正真正銘プライベートな行為でしかない。もし、首相夫人であることが批判の資格になると望月記者が思っているならば、やはり今回の実弟の「疑惑」についても事実を明かし、積極的に答える責任があるのではないか。

 別に筆者はそれを積極的に求めているわけではない。ただ、望月記者の今までの政治批判の姿勢が二重基準に陥ることがないための「アドバイス」である。