2020年06月24日 11:03 公開

北朝鮮は23日、朝鮮労働党中央軍事委員会の予備会議で、韓国に対する「軍事行動」計画を保留した。北朝鮮国営メディアが24日に報じた。

韓国の脱北者団体が北朝鮮に向けて体制批判のビラを飛ばしていることをめぐり、南北の緊張関係はここ数週間で高まっている。

北朝鮮は南北軍事境界線がある非武装地帯(DMZ)に朝鮮人民軍を送り込むと警告していた。

しかし北朝鮮の国営メディアは24日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が議長を務める中央軍事委員会が現在の情勢を考慮し、軍事行動計画を保留したと伝えた。

金氏の妹の金与正(キム・ヨジョン)氏は13日の談話で、韓国に対して「次の行動を決行する」などとし、軍にDMZへの進入の準備をするよう命じたことを明かした。この判断の理由の1つに、脱北者団体が北朝鮮に向けて体制批判のビラを飛ばすのを韓国が止めなかったことをあげていた。

なぜ南北の緊張が高まっているのか

2018年の南北首脳会談で融和ムードが生まれて以降、長年敵対関係にあった韓国と北朝鮮は関係改善と対話維持に努めてきた。

しかし、両者の関係はここ数週間で急速に悪化しているようだ。

その原因の1つは、韓国の脱北者団体による北朝鮮批判のビラ散布だ。

脱北者団体は通常、風船に北朝鮮批判のビラやUSBあるいはDVDをくくりつけて北朝鮮側へ飛ばす。韓国での報道やドラマもそれらに含めて飛ばすこともある。

こうしたものはすべて、北朝鮮の情報統制を崩壊させ、北朝鮮の人々が国内から政権を転覆させるかもしれないと期待しての取り組みだ。

北朝鮮側はビラの散布について、対立を避けるために南北が署名した、2018年の板門店宣言に反するものだと主張している。

韓国政府は、南北軍事境界線付近の住民を危険にさらす恐れがあるとして、これまでも脱北者団体によるビラ散布を阻止しようとしてきた。

連絡事務所を爆破

今月9日、北朝鮮は金委員長と韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領とのホットラインを含む、南北間のすべての通信線を遮断した。

北朝鮮は16日、南北軍事境界線沿いの北朝鮮・開城にある南北共同連絡事務所を爆破した。連絡事務所は2018年の首脳会談後、南北間の定期的な対話を確保するために設置されたものだった。

軍事行動に出るという与正氏の脅しは、詳細は示されなかったものの、両者の緊張をさらに高めることとなった。

ところが23日になって、北朝鮮の論調はトーンダウンしたようにみえる。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は、23日の党中央軍事委員会の予備会議で「戦争抑止力をより一層強化するための新たな方針が示された」と伝えた。

金委員長は今年1月の新年のあいさつで、核開発や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を再開する可能性を示した。北朝鮮は2017年を最後に、ICBMの発射実験を行っていない。トランプ政権と非核化交渉を続けるなか、核開発やICBMの発射実験を一時停止すると自ら発表していた。

(英語記事 N Korea 'suspends military action' against South