平本淳也(元ジャニーズ所属タレント、作家)

 ジャニーズ事務所を退所した元NEWSの手越祐也が6月23日夜、ユーチューブで生配信しながら行った記者会見は、ファンらの目にどう映っただろうか。

 およそ2時間、まさにしゃべりまくった独壇場といえる会見だったが、総じて感じた印象は「大人ぶった子供」である。芸能界しか知らない32歳にしてはがんばったと思うが、自分を守りたいという意思ばかりが際立った。

 同時に手越のキャラである天真爛漫さとサービス精神が生かされた面もあり、本人的にはセーフティーに進めることができたと、安堵しているのではないだろうか。

 ただ「手越祐也」と自らの名前を連呼しながらビジョンを熱く語り、今後の活動を宣伝するかのような必死さはファンから見て痛々しかったのではないだろうか。また、冒頭で強調した「円満退社」と事務所や番組のスタッフに向けた感謝のメッセージも「飾り」としてうまく使おうとした意図が滲み、マイナスだったかもしれない。

 会見で明らかにした「ジャニーズ側から突然、弁護士を立てられた」「藤島ジュリー景子社長と滝沢秀明副社長には会ってもらえなかった」、この二つ(対話はなく交渉は弁護士同士のみ、最上層部とは会ってもらえなかった)が証明しているように、決して「円満」ではないことが逆に浮き彫りになった。

 このように、ジャニーズと揉めている関係性が印象付けされてしまえば、今後の芸能活動に多大な影響を及ぼし、業界から干される恐れが増してしまう。また「契約」による決まり事で悪くは言えないのも分かるが、あざといくらいに健全さをアピールしている様子にあきれる視聴者も少なくなかったはずだ。

 前日からテレビやスポーツ新聞で「会見」の予告が報じられ、その宣伝効果もあってなのか、一時的には130万人を超える視聴者を獲得したが、次第に減少して50万人以上が途中で離脱して終わった。

 会見時間が長かったことに加え、しつこいぐらいの自己アピールを嫌ったのか、会見の「核心」、つまりジャニーズとの確執的な部分で明確な回答が得られず期待に反したことも要因だろう。
記者会見を終え、得意のポーズを決める手越祐也=2020年6月23日、東京都千代田区
記者会見を終え、得意のポーズを決める手越祐也=2020年6月23日、東京都千代田区
 いずれ辞める、いつか辞める、そして間違いなく辞める、と言われ続けてきた手越の退所そのものは突然発表されたという雰囲気だが、実は「方向性」としてかなり前から準備されていた。本人も言うように、遅くとも3月には決めていたところ「やりたいことをやる」「ジャニーズにいたらできない」に集約してこれを実行したにすぎない。

 手越が言う「やりたいこと」は、本来ならジャニーズに所属していてもできることが多い。ジャニーズと言えども、それなりに自由な面はあり、数々のスキャンダルを起こした手越が、ジャニーズで活動を続けていたことが何よりの証左だ。