2020年06月26日 11:20 公開

世界保健機関(WHO)は25日、欧州各国で新型コロナウイルスによる感染症COVID-19の拡大防止措置が緩和される中、数カ月ぶりに感染者数の増加がみられると警鐘を鳴らした。

WHO欧州地域事務局のハンス・ヘンリ・クルーゲ局長は、アルメニア、スウェーデン、モルドバ、北マケドニアを含む計11カ国で感染スピードが加速し、「非常に重大な感染拡大の再来」につながっていると述べた。

クルーゲ局長は、新たな感染拡大への警告が現実のものになったとし、このまま放っておけば医療制度は「再び瀬戸際まで追い込まれる」ことになると警告した。

WHOによると、WHO欧州地域事務局が管轄する欧州と中東、中央アジアの54の国と7つの地域で、これまでに260万人以上の感染と19万5000人以上の死亡が報告されている。

また、2万人近い新規感染者と700人以上の死亡が日々確認されている。

「感染拡大再来が現実に」

クルーゲ氏は25日、オンラインでの記者会見で、「数週間にわたり、私は各国が制限措置を変更している中、感染拡大の再来のリスクについて言及してきた」と述べた。

「欧州の複数の国ではいまや、このリスクが現実のものとなっている。(中略)30の国では過去2週間で新規感染者数の増加がみられた」

「このうち11の国では感染スピードが加速し、非常に重大な感染拡大の再来につながっている。このまま放っておけば医療制度は再び瀬戸際まで追い込まれることになる」

WHOはその後、この11カ国はアルメニア、スウェーデン、モルドバ、北マケドニア、アゼルバイジャン、カザフスタン、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、キルギス、ウクライナ、コソボだと明らかにした。

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クルーゲ氏は、ポーランドやドイツ、スペイン、イスラエルなどは学校や炭鉱、食糧生産の現場と関連のある危険なアウトブレイク(大流行)にすばやく対応し、迅速に介入することで流行を制御したと述べた。

再び感染が拡大すると警告した一方で、WHOは大半の国々で夏の間に状況がさらに落ち着くと予測していると、クルーゲ氏は述べた。

「しかし我々は実際に、COVID-19だけでなく季節性のインフルエンザや肺炎、そのほかの病気も拡大するかもしれない秋に向けて準備しなければならない。このウイルスは結局のところ、我々のコミュニティーで依然として活発にまん延しており、有効な治療法や有効なワクチンもまだないので」

ドイツとフランスがWHO支援を誓う

こうした中、ドイツとフランスは25日、スイス・ジュネーヴでのWHOのテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長との会談後、WHOへの支援を誓った。

ドイツのイェンス・シュパン保健相は、WHOに対して年内に5億ユーロ(約601億1000万円)の拠出と装備の提供を行う方針を明かした。

シュパン保健相は、世界的な流行(パンデミック)には世界的な協調的対応が必要だと強調した上で、「国際問題に対して国家が孤立した対応をしても、失敗するのは初めからわかっている」と付け加えた。

フランスのオリヴィエ・ヴェラン保健相はWHOに5000万ユーロ(約60億1000万円)を、同国リヨンの研究センターに9000万ユーロ(約108億1800万円)をそれぞれ拠出すると約束した。

「世界はこれまで以上に多国間組織を必要としていると、私は心から信じている。世界はパートナーを排除することはできないと、私は信じている」

WHOの新型ウイルス対応をめぐっては、今年5月にアメリカのドナルド・トランプ大統領がWHOを「中国の操り人形」と呼び、拠出を停止してWHOとの関係を打ち切るなどと発言した。

これを受け、欧州諸国の指導者たちはWHOへの公的支援を積極的に示している。


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(英語記事 Europe coronavirus resurgences alarm WHO