2020年06月27日 13:38 公開

米フェイスブックは26日、今後は有害な可能性のある投稿にラベル表示すると発表した。

フェイスブックはこれまで、有害だと指摘のあった投稿について、ニュースバリューの観点から削除やラベリングを行ってこなかった。有害と指摘される投稿には、ドナルド・トランプ大統領のものも含まれる。

こうした対応については、90社以上が抗議のために広告を引き揚げるなど、コンテンツ・モデレーション(内容確認)を改善すべきだという圧力が高まっていた。

26日には日用品大手ユニリーバが、「少なくとも」年内はアメリカでソーシャルメディアでの広告から撤退すると発表。アメリカは「二極化する選挙期間」に入ったため、フェイスブックと傘下のインスタグラム、ツイッターでの広告を取りやめると説明した。

ユニリーバはさらに、「この状況でこうしたプラットフォームで広告を出し続けるのは、人と社会に有用ではない。必要に応じて、現在の方針を見直す」と述べている。

フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、フェイスブックはヘイトスピーチ(憎悪表現)の取り締まりに成功していると反発した。

欧州委員会の報告では、フェイスブックは昨年、ヘイトスピーチの投稿の86%を削除しており、2018年の82.6%から改善しているという。

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一方でザッカーバーグCEOは今回の方針強化について、「アメリカが直面している問題の実態と、それがどのようにコミュニティーで表出しているのかについて取り組むため」だと話した。

フェイスブックでは今後、人種や移民といった区分けを脅威として説明する広告を禁止する。また、暴力をあおったり投票を抑圧するようなコンテンツは、政治家の発信であっても削除する方針だ。

ザッカーバーグ氏によると、これらの条件に当てはまらないコンテンツには「Problematic(疑わしい)」というラベルを表示することになるという。

「年にほんの数回、公共の利益が有害リスクを上回っていなければポリシー違反となるようなコンテンツをそのままにしてきた」

「通常、政治家の発言は公共の利益に適うものだ。ニュースメディアが政治家の発言を報じるのと同じように、フェイスブックでも政治家の発言を見られるようにすべきだと考えている」

「我々は間もなく、ニュース価値があるという判断から残す一部のコンテンツに、ラベルを表示するようになる。どういう理由で表示されているか、分かるようになる」

ツイッターも同様の対策

ツイッターはすでに似たような対策を取っており、政治家による広告を禁止したほか、トランプ氏のツイートを含むある種の投稿にラベルを貼り付けたり、警告を付与したりしている。

ツイッター幹部ののサラ・パーソネット氏は、「公共の対話を守り、促すために我々はサービスの方針とプラットフォームの許容量を進化させてきたし、常に、声をあげられないコミュニティーや少数グループの声を大きくする努力をしている」と話している。

フェイスブックとツイッターの株価は26日、共に7%以上値下がりしている。

フェイスブックのボイコットを呼びかけている団体からは、ザッカーバーグ氏の施策は十分ではないという指摘もある。

公民権擁護団体「Color of Change(変化の色)」のラシャド・ロビンソン会長はツイッターで、「きょうの説明から、我々の民主主義や公民権に(フェイスブックが)どれだけ害を与えているか、マーク・ザッカーバーグ氏が問題を正面から取り組んでいないことが分かった」と述べた。

「これがフェイスブックから数百万ドルもの大金を撤退させた大手広告主への返答だとしたら、ザッカーバーグ氏のリーダーシップを信用できない」

なぜ広告引き揚げ

アメリカでは、5月に黒人のジョージ・フロイドさんが白人警官に暴行され死亡した事件を受け、公民権団体などが「Stop Hate for Profit(利益のためのヘイトをやめろ)」キャンペーンを始め、フェイスブックやインスタグラム、ワッツアップなどに対応を求めてきた。これらの企業は昨年、700億ドル(7兆5000億円)近くの広告収入を得ている。

「Color of Change」や全米黒人地位向上協会 (NAACP)といった主催団体は、フェイスブックは「人種差別的、暴力的、あるいは偽情報と確認されているコンテンツをプラットフォーム上にはびこらせている」と批判している。

主催団体のひとつ「Sleeping Giants(眠れる巨人)」によると、これまでに90社以上がキャンペーンに参加しているという。

eMarketer社のアナリスト、ニコール・ペリン氏は、新型コロナウイルスのパンデミックによって広告業界には大きな変化が訪れているため、ボイコットによる経済的影響を把握するのは難しいだろうと指摘した。

一方で、ユニリーバが複数のプラットフォームで、求められている以上に長い期間、広告を取りやめると発表した影響は大きいだろうと話した。

「ユーザー作成コンテンツ(UGC)プラットフォームに、もっと深い問題があることがうかがえる。政治的な表現を認めるプラットフォームで対立が予想されるのは当然のことなので」

(英語記事 Facebook to tag ‘harmful’ posts as boycott widens