ただ、さかなクンの国民的人気が高いがゆえに、このような発言がそのまま真実とされてしまうのは問題がある。NHK的なら「ボーっと生きてんじゃねーよ!」といったところか。実際にすぐさま、郵便学者の内藤陽介氏がツイッター上で具体的な事実をもとに反論した。

漂着プラごみの種類別割合では、重量比でレジ袋が全体の0・4%で漁網等が41・8%、容積比ではレジ袋0・3%に対して漁網等が26・2%。彼はどこの海に潜ったのか


 内藤氏の方が、さかなクンの情緒に訴えるやり方に比べれば、格段に納得がいくだろう。しかし、侮れないのがメディアと官僚たちの力だ。

 消費税引き上げの際もそうだが、既存メディア、とりわけテレビはなぜか増税の前には、それを引き上げる政府や官僚側のスポークスマンになることが多い。あれほど、普段では「安倍晋三首相が河井克行、案里議員夫妻を介して町議レベルまで現金を配っている」かのような印象報道を猛烈に垂れ流すのに、増税については事前では「そろそろやるよ」的な告知に成り下がっている番組が大半だ。

 そして、増税した後に「税金が上がって苦しい」的なニュースを流す。日本のテレビや新聞が、いかに官僚組織の代弁者であるかがよく分かる見慣れたシーンだ。

 官僚組織は、情報のリークや官製情報の解説者として、マスコミと長期的な関係を築いている。つまり、彼らは同じ「ムラ」、同じ利害関係を有する「仲間」なのである。

 それでいて、たまには都合の悪い一部の仲間を切り捨てて、それをムラの外に追い出すと同時に、「スキャンダル」としてマスコミに豪華な「エサ」として売ることも忘れない。最近では、産経新聞記者、朝日新聞元記者との賭けマージャンで失職した東京高検の黒川弘務前検事長がいい例だろう。

レジ袋辞退者の倍増に向けたキャンペーンの発足式で、マイバッグの活用を呼び掛けるさかなクン=2020年6月25日
レジ袋辞退者の倍増に向けた
キャンペーンの発足式で、
マイバッグの活用を呼び掛ける
さかなクン=2020年6月25日
 このマスコミと官僚のもたれ合いは、マスコミと政治家のそれほどに国民は批判していない。実際に現在のテレビニュースのほとんどは、官公庁のホームページを見ていれば足りるレベルである。

 筆者は日常的にはテレビのニュースはほとんど見ないし、日本の新聞もほとんど読まない。時事問題の解説や論考を書いているにもかかわらずである。つまり、プロフェッショナルとして使えない情報の集まりなのだ。

 テレビや新聞の大半は、一次情報を加工した二次情報でしかない。そんなものを利用するよりもデータそのもの、政府などの決定そのものの一次情報にアクセスした方が正確である。