このテレビと新聞は二次情報の集まりである、という意見は一般には目新しいらしい。嘉悦大の高橋洋一教授が新著『「NHKと新聞」は噓ばかり』(PHP新書)で詳細に解説していることでもある。

 テレビのニュース番組を見るときは、必ず映像の印象に惑わされないようにする。今回のレジ袋有料化の場合なら、それこそ海に浮かぶ大量のレジ袋でも映すかもしれない。そういう映像の作為から距離を置くことが大切だ。

 だが、現実にはテレビの印象だけで、モノゴトの成否を決める人が多い。「ワイドショー民」現象と個人的に名付けているものだ。

 レジ袋の有料化をめぐっては、さまざまな議論がある。私見では、「資源の枯渇」「海洋ごみ」「地球温暖化」に与える影響はほとんど無に等しい政策だと思っている。レジ袋有料化の問題点については、先の内藤氏のツイッターなどを参考にしてほしい。

 筆者の専門であるマクロ経済の観点からいえば、少なくとも「今」実行する政策ではない。経済アナリストの森永康平氏も、やはりツイッターで次のようにつぶやいている。

今月末でポイント還元が終わって、7月からレジ袋が有料に
まだコロナの影響で経済は弱ってるのに、問答無用で全てが予定通りに進んでいくっていうね…
ここから更に「コロナ税」なんてやったら、何が起きるかは言うまでもない
消費オジサンはおこです


 森永氏の懸念はかなり当たっているだろう。ちょうど、レジ袋有料化の開始と入れ替わりで、消費税増税に合わせて政府が導入した、キャッシュレス決済のポイント還元が終了するタイミングにある。
7月1日からのレジ袋有料化を知らせるファミリーマートムスブ田町店の張り紙=2020年6月、東京都港区
7月1日からのレジ袋有料化を知らせるファミリーマートムスブ田町店の張り紙=2020年6月、東京都港区
 この事実上の消費税の追加増税などをめぐる報道は、ワイドショー民をターゲットに「増税に慣らすこと」を、官僚側がマスコミと一緒に画策でもしているかのようである。実際レジ袋有料化とポイント還元終了について、各家計の負担を強調する報道を事前にはしていない。この点を確認するために、ここ数日の新聞とテレビの報道はチェックしたが、メディアのいつものパターンはここでも発揮されていた。

 レジ袋有料化を何のために実施するのか、本当に理由が分からない。もし「理由」があるとすれば、それは家計の負担増に慣らすためのメディアと官僚の思惑かもしれない。