2020年07月02日 14:38 公開

アフリカ南部ボツワナで、過去2カ月の間に数百頭のゾウが死んでいるのが発見され、「全く前例のない」怪現象に科学者が頭を悩ませている。

英慈善団体「ナショナル・パーク・レスキュー」のナイオール・マカン博士らは5月初旬以降、ボツワナのオカヴァンゴ・デルタで350頭以上のゾウの死体を発見した。

死因は分かっておらず、ボツワナ政府によると、採取したサンプルの調査結果が出るのは数週間後だという。

アフリカではゾウの数が減少し続けている。その頭数の約3割がボツワナに生息する。

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マカン博士によると、5月初めに地元の自然保護活動家がデルタ地帯の上空を飛行機で飛んだ。その際、ゾウが多数死んでいるのに気付き、政府に連絡した。

「その時には3時間で169頭の死体が確認された。たった3時間の飛行でそれだけを見つけ、数えられるというのは異常だ」とマカン博士は説明する。

「それから1カ月後にも調査が行われ、さらに多くの死体が発見された。全体では350頭を超えている」

「干ばつ以外の原因でこれほどの数のゾウが一度に死ぬのは前代未聞だ」


科学ニュースサイトPhys.orgによると、ゾウの死体からは象牙が持ち去られていないため、ボツワナ政府は5月の時点で密猟の可能性を排除している。

また、そのほかにも密猟が原因ではないことを示す証拠がいくつかあるという。

マカン博士は、「死んでいるのはゾウだけで、他の動物は見当たらない。もし密猟者がシアン化合物を使ったのなら、他の動物の死体も見つかるはずだ」と指摘した。

また、ボツワナでは昨年、自然発生した炭疽(たんそ)菌で少なくとも100頭のゾウが死んでいるが、今回の大量死には関係ないとマカン博士はみている。


一方で、病気や毒の可能性も排除できない。ゾウの死体の多くは顔を下にして死んでいる。同じ場所をぐるぐる回るゾウの姿も目撃されていることから、マカン博士は神経系を攻撃されている可能性があるとみている。

どちらにせよ、その原因が分からなければ、これが人間にも感染する病気だという可能性を捨て去ることはできない。土や水源に原因がある場合はなおさらだ。

新型コロナウイルスの流行も動物由来であることを、マカン博士は強調する。「これは自然保護の災害だが、公衆衛生の危機にもなり得る」


ボツワナの野生生物・国立公園省で事務次官代理を務めるシリル・タオロ博士は英紙ガーディアンの取材で、これまでにゾウ280頭の死亡が確認され、残りの死体についても確認作業の最中だと説明した。

死因は分かっていないと話している。

「サンプルを検査にまわしていて、向こう数週間で結果が出ると見ている」

(英語記事 Mystery as hundreds of elephants found dead