
2020年07月05日 13:17 公開
ココ・ガウフ、大坂なおみ両選手ら若手スターのおかげで、女子テニスの将来は、コート内外で「ものすごい」ことになる――。テニス界で男女平等を推し進めてきた往年の名選手ビリー・ジーン・キングさん(76)が、そんな期待を語った。
4大大会(グランドスラム)のシングルスで12度の優勝を誇るアメリカ人のキングさんは1970年代、テニス界における性差別をなくそうと先頭を切って活動。他の社会的不平等に関しても、著名人の立場から是正を強く求めてきた。
そのキングさんはガウフ選手と大坂選手について、「二人のことは少ししか知らないが、素晴らしい人たちだ」と話した。
16歳のガウフ選手と22歳の大坂選手はともに、アメリカで黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警官に首を圧迫されて死亡した後、人種差別への抗議を表明している。
ガウフ選手は先月、フロリダ州で開かれた平和的な抗議集会に参加。人種差別への反対を、投票と行動で示そうと呼びかけた。
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一方、日本人選手の大坂選手は今週、米誌エスクァイアに意見記事を寄稿。フロイドさんが死亡したミネソタ州に駆けつけて抗議行動に加わった理由を語り、こう訴えた。
「『人種差別主義者ではない』だけでは不十分だ。反人種差別主義者でなくてはならない」
大坂選手は2018年全米オープンと2019年全豪オープンと、グランドスラムで2度優勝している。
ガウフ選手は「リーダーの資質」
フロリダ州出身のガウフ選手が注目を集めたのは昨年のウィンブルドン選手権だった。当時15歳のガウフ選手は予選から勝ち上がり、ウィンブルドンを5度制覇しているヴィーナス・ウィリアムズ選手を破ってベスト16まで進んだ。
その後、ガウフ選手は世界ランキング50位以内に急上昇。今年の全豪オープンでは4回戦まで進出したものの、優勝したソフィア・ケニン選手(21、アメリカ)に敗れた。
「ココの『黒人の命は大事』(Black Lives Matters)に関する発言にはリーダーの資質を感じる。彼女の言葉が、平等と多様性の肯定に向けて、みんなの背中を押している」とキングさんは言う。
「彼女はとても雄弁で、40歳や50歳の人のような話しぶりだ。大坂選手も活発に発言をしている。将来はものすごいものになると思う」