2020年07月06日 15:21 公開

「香港国家安全維持法」(国安法)が施行された香港で、民主活動家らの著書が公共図書館から撤去されている。

国安法は中国からの離脱、政権転覆、テロリズムの取り締まりなどを目的としている。違反者は最高で無期懲役が科される。

図書館の管理当局は、民主活動家らによる本が国安法に違反しないかを調べるとしている。

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香港の英字紙サウスチャイナ・モーニングポストによると、少なくとも9冊の本が利用不可か「検証中」となっている。

それらには、著名民主化活動家の黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏や、民主派の香港立法会(議会)議員、陳淑荘(タニヤ・チャン)氏による著書や共著書が含まれているという。

黄氏は4日、「国安法は単なる制裁措置にとどまらず、大陸型の検閲制度をこの国際金融都市に強いるものだ。私の本は、香港の犯罪容疑者引き渡しへの抗議運動の何年も前に出版されたが、当局は言論弾圧に乗り出している」とツイートした。

https://twitter.com/joshuawongcf/status/1279451186412654597?s=20


さらに、「出版禁止の(中略)1歩手前だ」と訴えた。

香港で取材するBBCニュースのダニー・ヴィンセント記者は、「つい1週間前までは、公共図書館から政治的図書が除去されるなどとは想像もできなかっただろう」と説明。

国安法によって言論や集会の自由が余りに早く奪われたと、多くの香港市民が感じていると伝えた。

批判受け付けず

国安法をめぐっては、香港の高度な自治の下での自由を侵害するとの反発が市民らから出ている。

これに対し中国政府は、香港で昨年続いた民主化運動のような大規模抗議行動を阻止するために同法が必要だと主張。批判をはねけている。

香港は1997年にイギリスから中国に返還された際、「一国二制度」の合意が形成され、少なくとも50年間は特定の権利が保障されることになった。

イギリスなど西側諸国は、この約束が反故にされたとして抗議しているが、中国は内政干渉として受け付けていない。

国安法が6月30日に施行されると、著名民主活動家らが団体からの離脱などを表明している。かつての学生活動家リーダーで、民主化を求める政党・香港衆志(デモシスト)党首だった羅冠聰(ネイサン・ロー)氏は、香港を離れたと発表した。

(英語記事 Pro-democracy books pulled from Hong Kong libraries