2020年07月07日 9:39 公開

米ニューヨーク・マンハッタン地区検事局は6日、セントラルパークで今年5月に黒人男性から飼い犬にリードを付けるよう求められた際に「アフリカ系アメリカ人に脅されている」などと警察に通報した白人女性について、虚偽通報の罪で訴追したと発表した。

訴追されたのはエイミー・クーパー被告(41)。有罪となれば、最大で禁錮1年が言い渡される可能性がある。10月14日に出廷する予定。

マンハッタン地区検事のサイラス・ヴァンス氏は6日、「本日、第三級の事件について虚偽の報告をしたとして、エイミー・クーパー氏の訴追手続きを開始した」と述べた。

「我々はこうした行為をする加害者側の責任追及に全力で取り組んでいる」

ヴァンス氏はまた、「虚偽通報の標的になった人は誰でも」地区検事局に連絡するよう促した。

何があったのか

エイミー被告は5月25日、セントラルパークを飼い犬にリードを付けずに歩いていたところ、クリスチャン・クーパー氏(57)から声をかけられた。この時2人がいたのは、犬に常にリードをつけるよう規制された「ランブル」と呼ばれるエリア内だった。

クリスチャン氏は、「お嬢さん、ランブル内では常に犬をリードでつないでおかないといけませんよ。すぐそこにサインがあるでしょう」と伝えたが、エイミー被告は拒否。クリスチャン氏が動画の撮影を始めた。

エイミー被告は「私はランブルにいる」、「男が、アフリカ系アメリカ人がいて、自転車用のヘルメットを持って私のことを撮影している。私と犬を脅している」、「ランブルで男に脅されているからすぐに警官を出動させてください!」と通報した。

クリスチャン氏に対し、「アフリカ系アメリカ人の男が私の命を脅かしている」と警察に通報すると言う様子や、実際に通報して警察官の出動を要請する前に、「男はアフリカ系アメリカ人」だと繰り返し訴える様子を捉えた動画は拡散された。

こうした行動は人種差別的だとして広く非難された。

翌日、エイミー被告は勤務先の投資会社から「人種差別」を理由に解雇された。

「動物虐待」との非難も

クリスチャン氏が撮影した動画には、エイミー被告が犬の首輪を引っ張り上げ、犬の前足が宙に浮いて首が絞まっているような様子が確認できる。これに対し、動物虐待ではないかとの非難の声が上がり、犬は保護施設に保護された。

その後エイミー被告は公に謝罪した。

クリスチャン氏のきょうだいのメロディ氏は、「常に犬をリードにつないでおかなければならないと明確に表記されているニューヨーク・セントラルパーク内の有名なエリアで、犬にリードをつけずに散歩している人がいると、私のきょうだい(熱心なバードウォッチャー)のような人が丁寧にお願いすることになる」とツイートした。

https://twitter.com/melodyMcooper/status/1264965252866641920


この事件と同じ日には、米ミネソタ州ミネアポリスで武器を持たないアフリカ系アメリカ人ジョージ・フロイドさんが白人警官に首を圧迫されて死亡しており、アメリカ各地や世界中での人種差別に抗議するデモに発展した。

(英語記事 Charge filed against white Central Park 911 caller