2020年07月08日 9:25 公開

ブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領(65)が新型コロナウイルスに感染していることが7日、検査で判明した。高熱を含む症状を発症したため、6日に4度目のウイルス検査を受けていた。

ボルソナロ氏は自分の感染をテレビ・インタビューで明らかにした。高熱は下がり、「調子はとても良い」と話した。5日に高熱やせきなどの症状や具合の悪さを自覚するようになり、6日にはさらに悪化したため、検査を受けることにしたという。

大統領は、ドナルド・トランプ米大統領が新型ウイルス治療薬として推奨した抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」や、抗生物質「アジスロマイシン」を飲んでいると述べた。どちらも、新型ウイルスへの効果は認められていない。

最近ボルソナロ氏と接触した人の追跡と検査が実施される。

ボルソナロ氏はこれまで繰り返し、新型ウイルスの危険は大したことがないと主張し、「ちょっとしたインフル」に過ぎないものに自分は深刻な影響を受けないと述べていた。

感染対策のロックダウン(都市封鎖)が経済に与える打撃を重視するボルソナロ氏は、各州知事に規制を緩和するよう呼びかけていた。大勢が集まる公共の場でも規則に反してマスクをつけようとしない大統領に、連邦地裁はマスク着用を命じていたが、着用義務化の法案にボルソナロ氏は拒否権を行使していた。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計(日本時間8日早朝)によると、ブラジルで確認された感染者数は162万人を超え、死者は6万5000人超。共に、アメリカに次ぐ世界2位の被害規模となっている。

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4月の時点でボルソナロ氏は、もし自分が感染しても「何も感じないだろうから心配する必要はない。ひどくてもちょっとした風邪やちょっとしたインフル程度のことだろうから」と述べていた。

当時のブラジルの感染者数は約4万人で、死者は3000人未満だった。

その後に被害が急激に拡大したものの、ボルソナロ氏は感染対策の行動制限による被害の方が深刻だとして、マスコミが感染症へのパニックや恐怖をあおっていると非難していた。

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ブラジルでは6月19日、アメリカに続いて感染者の確認が100万人を超える2番目の国になった。検査の実施が少ないため、現在の感染者数や死者数の実態は、発表よりはるかに多いはずだと多くの専門家がみている。

そうした中でも経済活動は次々に再開され、主要都市のリオデジャネイロとサンパウロでは今月に入りバーやレストランが営業を再開した。

経済活動を優先させるボルソナロ大統領との意見対立から、医師でもある2人の保健相が相次ぎ政権を去っている。

ただし、ブラジルではワクチン開発作業が進んでいる。英製薬大手アストラゼネカと中国製薬大手の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)が、ブラジルで数千人の志願者を対象に、最終の第3期臨床試験(治験)を開始すると発表している。


新型ウイルスについてボルソナロ氏の発言

  • 3月11日――「これまで見てきた様子からすると、(新型ウイルスよりも)大勢を殺したインフルエンザはほかにもある」
  • 3月18日――「本日得た情報によると、(ブラジルの)気候は熱帯に近いため、(パンデミックの)終わりにほぼ近づいたか、すでに終わっている。この国のように温かな気候では、ウイルスはそれほど急速に広がらないので」
  • 3月20日――「刃物で刺されたこともある自分が、ちょっとしたインフルにやられたりしない」

5日にはエルネスト・アラウージョ外相がツイッターに、自分や大統領が首都ブラジリアのアメリカ大使館で独立記念日の式典に出席した様子の写真を投稿していた。

写真に写る人は誰もマスクをしていないし、社会的距離も守っていない。

https://twitter.com/ernestofaraujo/status/1279475037574176768


在ブラジリアのアメリカ大使館は、駐ブラジル大使がボルソナロ氏たちと4日に昼食を共にしたと明らかにした。トッド・チャップマン大使には症状は出ていないものの、検査を受ける予定という。

これに先立ちチャップマン大使も、ボルソナロ大統領と並んで撮った写真をツイートしていた。

https://twitter.com/USAmbBR/status/1279549386637410305


ボルソナロ氏は過去に3回、新型ウイルス検査を受けており、いずれも陰性だったと話していた。

(英語記事 Coronavirus: Brazil's President Bolsonaro tests positive