2020年07月08日 12:40 公開

レイチェル・シュレア、健康担当記者

イギリスの国家統計局(ONS)は7日、国内で新型コロナウイルス検査を受けて陽性と判明した人のうち、検査当日に症状があったのは22%だけだったと発表した。このことから、症状を確認できない人が感染を拡大する役割を果たしていることが判明した。

また、医療・社会福祉従事者ほど検査での陽性率が高かったことも明らかになった。

イギリスでは現在、全ての死因による死者数が2週間連続で平均を下回っている。3~6月の死者数は、過去5年の平均と比べて5万9000人多かった。

一方、イギリス政府が毎日発表している集計によると、新型ウイルス検査で陽性と判明後に亡くなった人は7日、155人増えた。全体の死者は4万4391人となっている。

ONSの調査結果

ONSの調査によると、検査で陽性と判明した人のうち、検査当日に症状があったのは22%だった。これを検査当日か、前回検査、あるいはその後の検査まで拡大すると、33%が症状があったと回答した。

つまり、検査当日に症状がなかった78%には、「発症前」あるいは、感染しても症状の出ない「無症状」が含まれている。

ONSの調査では陽性と判明した120件だけを対象としたため、どういった人が感染しやすいのかについては強い結論を導き出すのは難しい。しかしデータからは、いくつかのパターンが浮かび上がった。

  • 検査で陽性という結果が最も出やすいのは、対面で作業を行う医療・社会福祉従事者で、自宅の外で働いている人も比較的高率だった
  • 過去の罹患歴が分かる抗体検査では、人種的マイノリティーの人が最も陽性反応が出やすかった
  • 抗体検査では白人が最も陽性率が低かった
  • 1世帯当たりの人数が多いほど検査で陽性という結果が出やすいという証拠もあった

また、男性と女性では男性の方が新型ウイルスでの死亡率が高いものの、この調査では感染しやすさには違いが見られなかった。

調査の対象となったのはイングランド在住者で、介護施設などに住んでいる人は除外されている。

無症状の状態で検査を受けた後に症状が出る人もいれば、過去に症状がありすでに治っている人もいたという。

無症状の人からの感染リスク

無症状の人からの感染については、世界保健機関(WHO)やイギリス政府の科学顧問なども警告しているが、リスクの規模については数値化できていなかった。

ボリス・ジョンソン英首相は6日、介護施設で感染が広がったのは無症状患者によるものかもしれないと指摘。

「多くの介護施設が対策に従っていなかった」と示唆し、介護業界から批判を浴びた。

その後、アロク・シャロマ・ビジネス相は首相の発言について、アウトブレイクが始まった際には無症状者による感染についての理解が進んでいなかったため、「当時は誰も正しい対策が分からなかった」という意味だと擁護した。

(英語記事 No symptoms in 80% of positive Covid tests