2020年07月08日 14:09 公開

ロシア・シベリアの北極圏で6月の平均気温が過去最高を記録したことが、欧州連合(EU)のデータで明らかになった。10度近く上昇したエリアもあった。

一帯では気温の上昇によって自然発火が起こりやすくなっており、過去最大の推定5900万トンもの二酸化炭素が排出されたと科学者らはみている。

北極圏でも暑い夏は珍しくないが、ここ数カ月の気温は異常な高さだ。

北極圏の温暖化は、地球の他地域の2倍のスピードで進んでいると考えられている。

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EUの地球観測プログラム「コペルニクス気候変動サービス」を指揮するカーロ・ブオンテンポ氏は、この傾向を「心配だ」とした。

同プログラムの科学者らによると、シベリアの北極圏では6月の気温が平均で5度上昇した。過去最高だった昨年と一昨年の6月より1度以上高い。

シベリアのベルホヤンスクでは、6月20日に気温が38度に達したとみられる。まだ確認が必要だが、6月の最高気温としては平均より18度も高い。

6月に入ってから、シベリアの一部で30度を記録した。5月には、北緯72度の北極圏に位置するロシア・ハタンガで25.4度を観測し、5月の最高気温を更新した。

一方、ロシア森林局によると、山火事は今月6日時点で246件が報告されており、計1400平方キロ以上に広がった。

「コペルニクス気候変動サービス」に参加している科学者のマーク・パリントン氏は、「高い気温と乾いた地表が、火災が発生し長期にわたって広範囲に及ぶ格好の条件となっている」とロイター通信に話した。

<分析>ジャスティン・ロウラット、BBC環境担当主任編集委員

最近の記録的に高い気温や、その他の世界各地の極端な天候について気候学者に質問すると、あきらめたようなため息が返ってくる。

インペリアル・コレッジ・ロンドンのマーティン・シーガート教授は、このところの北極圏の異常な気温について、「数十年前からの地球温暖化の予測に沿ったものだ」とし、こう言う。「これ以上の確証はいらないが、どのみち出てきた」

こうした現象は非常に気がかりだと、彼は考えている。

「北極圏で起こることは北極圏にとどまらない」

北極圏内の現象は、世界の気候システムを左右するとシーガート教授は言う。北極圏の気候が変われば、その影響は世界中に及ぶというわけだ。

問題は、どのような影響が及ぶのか、気候学者たちも明確にはわからないことだ。

気候モデルは、熱波や猛烈な暴風雨など、これまで以上に極端な気候を招くと示唆している。

「わかっているのは、北極圏の温暖化が、世界の2倍以上の速度で進んでいることだ」とシーガート教授は話す。

「変化が進行しているのは間違いない」

(英語記事 Siberian Arctic 'up to 10 degrees warmer' in June