2020年07月09日 10:43 公開

香港政府の教育局は8日、学生・生徒が学校で一切の政治的な活動に関わることを禁止した。歌を歌うこと、スローガンの掲示、授業のボイコットも禁じた。

香港で昨年来繰り広げられた民主化運動には、未成年の子供も大勢が深く関わった。時には暴力的にもなった抗議行動に参加したことで、計約1600人の未成年者が逮捕された。

多くの学生・生徒が学校で民主化デモへの支持を表明した。中国の国歌が流れると、抗議歌「Glory to Hong Kong(香港に栄光あれ)」を歌ってかき消した。

香港教育局の楊潤雄(ケビン・ヨング)局長は、そうした行為を学校は徹底してやめさせなくてはならないと指示している。

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ロイター通信によると、楊氏は、「香港に栄光あれ」について、「何カ月も続いた社会的、政治的な出来事、暴力や違法行為が絡んだ事件と密接に関係している」と述べた。

その上で、「学校は生徒がこの歌を演奏、歌唱、放送することを認めてはならない」と話した。

当局はこの他、大勢が手をつないで「人間の鎖」を作ることや、スローガンを唱えること、政治的なメッセージを発することを学生・生徒に禁止した。

言論など取り締まる動き

香港ではこの日、中国政府の治安機関「国家安全維持公署」が新設された

同機関は、中国政府反や香港政府に対する憎悪をあおる行為を違法とする、香港国家安全維持法(国安法)の施行を受けたもの。

国安法をめぐっては、高度な自治の下での自由が侵害されるとの警戒感が香港で広がっている。これに対して治安当局は、暴力的な抗議行動で損なわれた安定を回復できるとしている。


公共図書館は先週、民主活動家の著書を撤去した。当局は国安法に違反していないかを調べるとしている。

香港の主権は1997年にイギリスから中国に返還された。ただし「一国二制度」の合意により、最短で50年間は特定の権利は保障されることになっていた。

香港では昨年、逃亡犯引き渡し条例の改定をめぐって大規模な抗議行動が長期間続いた。この反政府運動は、全面的な民主化と、警察の暴力に関する調査を求めるデモに拡大した。

(英語記事 Hong Kong pupils banned from political activity