2020年07月10日 12:47 公開

昨年4月に火災に見舞われたパリのノートルダム大聖堂で、焼け落ちた尖塔(せんとう)が従来のゴシック様式で修復されることが明らかになった。現代的なデザインで再建されるとの憶測もあったが、エマニュエル・マクロン仏大統領が9日、発表した。

マクロン大統領は以前、「現代的な雰囲気」が好ましいと示唆していた。

今回の発表ではまた、パリ五輪が開催される2024年までに再建を終える方針を明らかにしている。

首相官邸のエリゼ宮は、マクロン氏は「再建計画の遅れや複雑化を心配している。計画は速やかに遂行される必要がある」と説明。

現代的な尖塔の設計には国際的に建築家を公募する必要があるため、不要の遅れが生じる可能性があったという。

「大統領は専門家を信頼しており、尖塔を元通りに再建するという主任建築士の計画概要を承認した」

<関連記事>

尖塔は19世紀に再建

ノートルダム大聖堂は13世紀に全体が完成した。最初の尖塔もこの頃に造られたものの、損傷が激しく、18世紀末に撤去された。その後、建築家ウジェーヌ・ヴィオレ・ル・ドュクの設計で、ゴシック様式のまま19世紀中ごろに再建された。

修復工事中に起きた昨年4月の火災では、屋根や尖塔が焼け落ち、世界中から悲しみの声が上がった。その後2日間で、9億ユーロ(約1100億円)もの義援金が集まった。

尖塔の修復については、火災直後から激しい議論が交わされてきた。

再建計画を担当しているジャン=ルイ・ジョルジュラン陸軍大将は、現代的な設計に置き換える案を推奨。マクロン大統領も当初はこの案を支持していたとみられる。

こうした動きを受け、世界中の建築家からさまざまな非公式案が発表された。中には屋上プールや屋上庭園、温室を設置する案まで飛び出した。

しかし大聖堂の主任建築士、フィリップ・ヴィルヌーヴ氏は、19世紀のデザインを忠実に修復する案を強く推奨した。

昨年11月に行われた国民会議(議会)文化委員会の会合では、特に議論が白熱。ジョルジュラン氏がヴィルヌーヴ氏を「黙れ」と叱責し、他の出席者があからさまに息を呑む場面さえあった。

(英語記事 Notre Dame spire will be rebuilt exactly as it was