ところで、インターネット上などで「新型コロナはただの風邪だ」とする意見が後を絶たない。

 免疫学者の小野昌弘氏はツイッターで、「コロナはただの風邪ではない。『伝染する肺炎』と受け止めるのが的確と思う。そもそも肺炎は医学的に重大な状態。しかもコロナの肺炎は血栓ができやすい、全身状態の急速な悪化を招きやすいなど、タチが悪い。重症者で免疫系の異常な反応がみられ、この手の免疫の暴走は危険。やはりただの風邪ではない」と指摘している。これは多くの医療関係者の共通認識だろう。

 新型コロナ対策を担当する西村康稔(やすとし)経済再生相は、「夜の街」対策が急務であると認識しているようだ。具体的には、今後の情勢次第で、東京都と埼玉・千葉・神奈川の3県に、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく休業要請を行う考えを示した。

 ただ、休業要請に踏み切るならば、やはり政府の支援による金銭的な補償が必要になるだろう。今までの政府の見解では、休業要請と金銭的補償の連動に否定的だ。

 その「肩代わり」をしているのが自治体だが、財政事情が大きくのしかかっている。政府には10兆円の予備費があるのだから、それを活用すべきだ。

 医療機関への負担も積極的に軽減すべきだろう。感染症対策の直接的な医療体制の充実を図る必要がある。

 また、新型コロナの感染を避けるために「受診控え」が広がり、多くの医療機関の経営が悪化している問題を指摘しておかなければならない。

 NHKによると、3割にあたる医療機関のボーナスが引き下げられているということだ。このような医療機関の経済的苦境にも、予備費などで積極的に国が対応すべきだろう。
新型コロナウイルス感染症対策分科会終了後、会見に臨む西村康稔経済再生担当相=2020年7月(川口良介撮影)
新型コロナウイルス感染症対策分科会終了後、会見に臨む西村康稔経済再生担当相=2020年7月(川口良介撮影)
 ただ、ワイドショーレベルの報道では、予備費の活用などという意見は出てこない。ワイドショーだけの話ではなく、予備費が巨額であることや、その使途が特定化されてないことを批判する論調が中心だった。新型コロナ危機の本質を理解していない意見がマスコミや識者の論調の主流だった。

 新型コロナ危機の本質はその根源的な不確実性にある。つまり、この先どうなるのか誰も分からない。