2020年07月16日 14:01 公開

国連は15日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)の影響で、各種ワクチンを接種する子どもたちが世界中で大幅に減っていると発表した。

今年1~4月のジフテリアや破傷風、百日咳のワクチン接種件数は、過去30年で初めて減少に転じた。

世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は、ワクチンは公衆衛生における強力なツールだと指摘。

各種ワクチンを接種できなかったために病気になったり死亡したりする子どもの数は、新型ウイルスによる数を上回る可能性があると警告した。

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ユニセフ(国連児童基金)とWHOによると、国連の調査に参加した80カ国以上のうち4分の3が、ワクチン・プログラムが妨害されていると答えた。

医療従事者用の個人防護用具の不足、移動の制限、医療従事者不足、そして外出への懸念などがプログラムを阻害し、縮小や中止につながっているという。

はしかについては、5月までに少なくとも30件のワクチン接種キャンペーンが中止、あるいは中止の危機にさらされた。

はしかは、新型ウイルスのパンデミック以前からアウトブレイクが始まっている。

国連によると、2018年には1000万人が感染し、14万人が死亡。そのほとんどが子どもだった。

ユニセフのヘンリエッタ・フォア事務局⻑は、ワクチンの定期接種が新型ウイルスによって「非常に困難な挑戦」になってしまったと語った。

「これ以上、COVID-19でない病気によって子どもの命が危険にさらされる前に(中略)ワクチンを受ける人の数を減らしてはいけない。ひとつの保健危機を別の保健危機と取り替えることはできない」

1400万人の子どもがワクチン受けられず

ユニセフによると、ワクチン接種プログラムにはパンデミック以前から遅れが出ていたという。

2019年には、はしかやジフテリアといった命に関わる病気のワクチンを受けられなかった子どもは1400万人に上った。

そのうち半数がアフリカで暮らしていた。また、全体の3分の2がアンゴラ、ブラジル、コンゴ(旧ザイール)、エチオピア、インド、インドネシア、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、フィリピンの10カ国に集中していた。

また、これまでワクチン接種率の高かった中南米・カリブ海諸国でも落ち込みがみられる。ブラジルやボリヴィア、ハイチ、ヴェネズエラではここ10年で接種率が14%下がっているという。

ユニセフとWHOは声明で、「5歳までに世界的に推奨されているワクチンを全て受けている子どもは20%以下だろう」と指摘している。

(英語記事 Child vaccinations fall sharply amid pandemic