2020年07月17日 15:43 公開

アメリカのウィリアム・バー司法長官は16日、中国で事業を展開するために中国政府と「連携している」として、ハリウッドや米テクノロジー企業を非難した。

バー司法長官は、ディズニーなどの企業は日常的に中国当局による映画の検閲を受け入れ、グーグルやヤフー、マイクロソフト、アップルは「全て」、中国政府の意向に協力することに「あまりに前向きだ」と批判した。

さらに、そのような行為は「リベラルな世界秩序」を損なう恐れがあると付け加えた。

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多くの問題をめぐり、米中の緊張関係は高まっている。中国が香港国家安全維持法(国安法)を成立させたことを受け、アメリカは今週、香港に認めてきた貿易や渡航における優遇措置を廃止した。

ドナルド・トランプ米大統領はまた、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)への対応や南シナ海での軍事力の強化、ウイグル人などのイスラム教徒の少数民族に対する扱い、巨額の貿易黒字などをめぐり、中国を批判してきた。

中国はこうした国外からの批判を全て一蹴している。

バー司法長官の主張

ミシガン州のジェラルド・R・フォード大統領博物館での演説で、バー司法長官は特定の製品について中国に依存してしまうと、それはアメリカの弱点になってしまうと警告した。米企業は中国の圧力に負けて、企業秘密を中国に提供し、企業としての価値観を曲げているとも批判した。

「ディズニーやほかの米企業が中国政府に屈し続ければ、自分たちの将来的な競争力や繁栄、そして自分たちが繁栄することを可能にしてきた古典的なリベラルな秩序の両方を損なう危険性がある」

バー氏は、中国当局者が自分たちの政策を優先するようアメリカ側に働きかけている事案が増加しているのを司法省として確認していると述べた。「たとえ個々の企業が中国に立ち向かうのを恐れるとしても、複数でまとまって団結すれば力を持てる」と述べ、中国からの要求に従わないよう米企業に求めた。

バー氏は、テクノロジー企業が「中国の影響力の手先になることを許した」と批判した。

さらに、アップルは米政府に同社の携帯電話へのアクセスを拒否した一方で、中国政府はアクセスできていたと主張。米テクノロジー企業の間で浮上してきた「ダブルスタンダード」の象徴だとしたが、証拠は提示しなかった。

「アップルが中国で販売する携帯電話が、中国当局に諜報されていないとでも思うか? もし諜報を排除できるなら、そもそも販売が認められるはずがない」

一方アップルは同社の携帯電話に侵入する抜け穴はなく、そのような製品を作ったりしないと反論している。

バー氏は、フェイスブックやグーグル、ツイッター、リンクトインについては、中国による香港国家安全維持法に基づくユーザーデータの提供要求に応じない姿勢を称賛した。

中国は他の先進工業諸国に仲間入りしようとしていない、むしろ完全に取って代わろうとしている、これは中国の行動から明らかだと、バー氏は述べた。

また、中国政府は中国国民の「力、生産性、知恵」を利用して「ルールに基づく国際システムを転覆させ、独裁者にとって安全な世界」にしようとしていると批判した。

中国は「世界経済を制御する地位を掌握し、世界随一の超大国としてアメリカを追い越すために」、「経済的電撃戦」に熱中しているとバー氏は付け加えた。

中国の主張は

中国政府は今のところバー氏の批判には反応していない。しかしバー氏の発言に先立ち、中国外務省は中国を不当に標的にしているとしてホワイトハウスを非難した。

同省の華春瑩報道官は16日、「アメリカの一部の人が中国を抑圧し、いじめていることは把握している。独立した主権国家として、中国はいじめ行為に対応しなければならないし、ノーと言わなければならない。(中略)状況に応じた対応を取らなければならない」と述べた。

華報道官はまた、アメリカが中国共産党員の訪米を禁止する可能性があるとの報道にも触れ、「もし事実なら、全くみっともない話だ」と述べた。

ほかの米当局者も批判

米連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官は7日、中国政府によるスパイ活動と盗用行為が、アメリカにとっての「最大の長期的脅威」になっていると述べた。

レイ長官によると、中国政府は国外在住の中国人に帰国を強要しているほか、アメリカのコロナウイルス研究を妨害しようとしているという。

また、「中国はどんな方法を使っても世界唯一の超大国になろうと、国を挙げて取り組んでいる」と付け加えた。

(英語記事 US tech and film 'collaborating' with China - Barr