2020年07月18日 12:03 公開

イギリスで医療従事者などへの寄付金を募って有名となったトム・ムーア退役大尉(100)に17日、ナイトの爵位が与えられた。エリザベス女王(94)にとっては、3月に新型コロナウイルス流行に伴う自主隔離を始めてから初めての公務となった。

当時99歳のムーア大尉は4月初め、新型コロナウイルス対策の最前線で働く人たちを支援するため、1000ポンドを募るキャンペーンを開始。4月30日の100歳の誕生日までに自宅の庭を100往復すると宣言した。歩行補助器を使いながら庭を往復するその姿が注目され、これまでに3200万ポンド(約43億円)が集まっている。

「キャプテン・トム」の愛称で親しまれるようになった大尉は誕生日当日、名誉大佐の称号を与えられた。また、王立空軍による儀礼飛行が行われたほか、エリザベス女王やボリス・ジョンソン首相からお祝いのメッセージが届いた。

17日の叙勲式はウィンザー城の中庭で「特別な形」で行われた。女王は父ジョージ6世の剣を使い、ムーア大尉をナイト・バチェラー(勲爵士)に任命した。これによって、ムーア氏は「キャプテン・サー・トマス・ムーア」となった。

ムーア大尉の到着は、ロイヤル・スコットランド連隊所属の「女王のバグパイプ吹き」、リチャード・グリスデール氏のバグパイプ演奏で出迎えられた。

叙勲式を終えたムーア大尉は、「本当に素晴らしい日だ。感無量だ」と語った。

「これほどの栄誉を、しかも女王陛下から頂けるなんて。これ以上望むものなどない。私にとって本当に素晴らしい日でした」

エリザベス女王は式中に5分ほどムーア大尉とその家族と会話し、「素晴らしい額の寄付金を集めてくれて、ありがとうございます」と述べた。

ムーア大尉にナイト爵位を授けることについては、ジョンソン首相が5月に特別に申し出ていたという。

英王室は、今回の叙勲式は王室として初めて、厳格な社会的距離を取る施策の中で行ったものだと説明している。

女王による叙勲は毎年春に行われるが、今年はパンデミックの影響で、6月と7月にバッキンガム宮殿とエディンバラのホーリールード宮殿で予定されていた式典は延期された。

ウィンザー城近くの教会ではこの日、エリザベス女王の孫ベアトリス王女と、実業家のエドアルド・マペッリ・モッツィ伯爵の結婚式が非公開で行われた。

結婚式は当初、5月に予定されていたが、新型ウイルスの影響で延期されていた。式には女王と夫のエディンバラ公フィリップ殿下(99)のほか、近しい王族が参加したという。

(英語記事 Capt Sir Tom Moore knighted in 'unique' ceremony