2020年07月19日 10:45 公開

フランス西部ナントにあるサンピエール・サンポール大聖堂で18日、火災が発生し、ステンドグラスの窓やパイプオルガンなどが破損した。捜査当局は放火事件とみて捜査を開始した。

大聖堂は15世紀建立。ピエール・サン検事は、3カ所で出火した形跡があり、放火の疑いがあると発表した。「火事現場を訪れて、別々の3カ所から出火したのが分かれば、捜査開始は当然の判断だ」と検事は述べ、国家警察が捜査に加わると話した。

フランスでは昨年4月、パリの観光名所のノートルダム大聖堂で火災が発生し、尖塔(せんとう)が焼け落ちるなど甚大な被害が出た。これに対してナントの消防当局は、今回の出火は短時間で対応できたため、「ノートルダムのような展開」ではないと話した。

「被害はオルガンに集中している。オルガンは完全に破壊された様子で、台座は崩落の危険がある」と、ローラン・フェルレ消防長は記者団に話した。

大聖堂の屋根には被害がないという。

エマニュエル・マクロン大統領は火災発生を受けてツイッターで、「ノートルダムに続き、サンピエール・サンポール大聖堂が燃えている。ゴシックの宝石を守るため危険を冒している消防士たちを応援する」とツイートした。

消防当局は火災の映像をツイートした。

https://twitter.com/PompiersFR/status/1284380859727065089?s=20


火災は18日早朝に始まり、火の手が大きく上がっている様子が大聖堂の外から見て取れた。消防士100人以上の態勢で、数時間のうちに鎮圧した。

新聞・雑誌販売店のジャン=イヴ・ブルバン氏はロイター通信に、午前7時半ごろに爆発音が聞こえて炎が見えたため、様子を見に行ったと話した。

「8年前からここにいて、大聖堂を毎朝毎晩見るので、動揺している。あれは自分たちの大聖堂だ。涙が出てしまう」

ナント大聖堂で火事が起きるのは初めてではない。第2次世界大戦中の1944年に連合軍の爆撃で損傷したほか、1972年には屋根が大きく破損した。

13年後に木製の屋根の代わりにコンクリートで上部を覆い、修復された。

2015年には同じナントで、19世紀建立のサン・ドナティアン教会が火事で一部破損した。

(英語記事 Nantes: Arson suspected in fire at Saint-Pierre-et-Saint-Paul cathedral