2020年07月20日 14:35 公開

11月の米大統領選への立候補を表明していた米ラッパーのカニエ・ウェスト氏(43)が19日、サウスカロライナ州チャールストンで型破りな選挙集会を開き、正式に選挙キャンペーンを開始した。

ウェスト氏は自ら設立した「バースデー・パーティー」(バースデー党)からの出馬を表明している。

19日の集会では、その場の思いつきで政策決定しているようだった。また、人工妊娠中絶や、元奴隷で奴隷の脱出・解放に尽力したハリエット・タブマン氏などについて熱弁をふるった。

土壇場での立候補表明をめぐっては、プロモーション活動なのではないかとの疑問の声がファンから上がっている。

チャールストンの集会ではウェスト氏が本当に立候補するのか、これまで以上に明確になることはなかった。18日にはウェスト氏のツイッターアカウントがニューアルバムの曲目とみられるものを投稿したことで、この憶測に拍車がかかった。このツイートは現在は削除されている。

チャールストンの結婚式場兼会議場で開かれた集会には、登録したゲストのみが参加できるとされていた。しかしウェスト氏のキャンペーンウェブサイトには登録機能あるいは出欠の返事を求める欄はなかった。

ウェスト氏は集会で何を語ったのか

ウェスト氏は後頭部に「2020」と剃り込み、防弾チョッキを着用して登場。集った人々にむけてマイクを使わずに演説した。

参加者側にもマイクは用意されておらず、ウェスト氏は質問を聞くために静かにするよう繰り返し求めた。

人工妊娠中絶について話している際にウェスト氏が泣き出す場面もあった。ウェスト氏は両親に中絶されそうになったとし、「父があまりに多忙だったので、カニエ・ウェストは存在しなかったかもしれない」と述べた。

また、「私は自分の娘を殺しそうになった。(中略)妻(キム・カーダシアン・ウェスト氏)がこの演説の後に私と離婚したとしても、妻がノースをこの世界に連れてきたことに変わりはない。私が望んでいなかったとしても」と付け加えた。

その後、人工妊娠中絶は合法のままであるべきだと考えているが、苦しんでいる新しい母親のための財政支援が必要だと付け加えた。「赤ちゃんがいる人みんなが100万ドル(約1億730万円)もらえる」制度を示唆した。

「私たちを自由にできる唯一の方法は、約束の地のために私たちに与えられたルールに従うことだ」

「人工妊娠中絶は合法であるべきだ。いいか? どうせ法律は神によるものではないんだから。合法ってなんなんだ?」

19世紀の奴隷制廃止論者ハリエット・タブマン氏について、即興で語る場面もあった。

「ハリエット・ダブマンが実際に奴隷を解放したことはない。ほかの白人のために奴隷を働かせていただけだ」とウェストが主張すると、会場からは不満の声が上がった。

ウェスト氏は、2007年に美容整形手術中の合併症で亡くなった母親の話の最中にも泣き出した。

ウェスト氏の名前は投票用紙に載るのか

4日に大統領選への出馬を表明したウェスト氏は、すでに複数の州での、無所属候補として投票用紙に名前を載せるための登録期限を逃している。名前を載せるには、一定数の署名を集めなければならない。

先週、ウェスト氏はオクラホマ州の投票用紙に載る資格を得た。締め切り前に条件を満たしたのは初めてだった。

サウスカロライナ州の投票用紙に載るには、20日正午(米国東部標準時夏時間) までに1万人の署名を集める必要がある。

(英語記事 Kanye West launches unconventional 2020 campaign