
2020年07月21日 14:41 公開
ベルギー・アントワープで19日、警官が男を逮捕した際に、地面にうつぶせになった男の背中に膝をついて圧迫するようにした。男は数時間後に搬送先の病院で死亡。逮捕の様子を撮影した動画がソーシャルメディアで拡散され、ベルギー当局はこの事案について捜査を進めている。
警察によると、アルジェリア出身の29歳の男は19日、通行人を襲おうとした疑いで、アントワープ市内のカフェの外で逮捕された。
警察の報道官はAFP通信に対し、「非常に興奮した状態の」男が人々を襲おうとしているとの通報を受けたと説明。現場に駆けつけると男はすでに負傷しており、酒に酔っているように見えたと付け加えた。
背中に膝をついて押さえつける
ソーシャルメディアで拡散された動画では、地面に倒れた男の背中に警官が膝をついて押さえつける様子が確認できる。
アントワープ警察は、司法捜査の結果が出るまでこの件についてコメントしないとツイートした。
地元メディアは男の名前をアクラムと報じている。
ベルギーではハッシュタグ「JusticeForAkram」(アクラムに正義を)、「MurderInAntwerp」(アントワープでの殺人)がトレンドになっている。
警察の残虐行為や人種差別への怒り
男が死亡した状況は、アメリカで5月に黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警官に首を圧迫されて死亡した事件と類似している。
フロイドさんの死をきっかけに、世界中の都市で警察の残虐行為や人種差別に対する怒りが爆発した。
ベルギーでは数千人が連帯を求める抗議行動に加わった。また、コンゴ(旧ザイール)で数百人を殺害した、同国で在位最長の王レオポルド2世の像を首都ブリュッセルから撤去するよう求める請願書には8万人以上が署名した。
アントワープにあったレオポルド2世像はデモで標的にされたため、すでに撤去されている。