2020年07月22日 10:08 公開

アメリカのドナルド・トランプ大統領は21日、新型コロナウイルスに関する定例会見を再開し、アメリカのパンデミック(感染大流行)はおそらく「改善する前に悪化する」だろうと警告した。また、「マスクには効果がある」と述べ、全てのアメリカ国民に対してマスクを着用し「愛国心」を示すよう求めた。

トランプ氏は会見ではマスクを着けていなかった。同氏はこれまで、マスクなどの防護具の効果を過小評価してきた。

報道によると、アメリカ全土で新型ウイルスの感染者が急増していることから、側近がトランプ氏に論調を変えるよう求めたという。

ホワイトハウスで毎日行われていた記者会見は今年4月、トランプ氏が新型ウイルス治療として消毒剤の注射が有効なのではないかなど根拠なく発言をして間もなく、行われなくなった。

数カ月ぶりとなった21日の新型ウイルスに関する会見は、原稿が用意された形で行われた。政府の公衆衛生当局者たちがパンデミック対策として繰り返してきた言葉を繰り返したトランプ氏は、「パンデミックはおそらく改善する前に悪化するだろう」と警告した。

さらに、「社会的距離を保てない場合にはマスクを着用するよう、マスクを手に入れるよう、みなさんにお願いしている」と付け加えた。

「マスクが好きかどうかは別にして、マスクをすれば影響が出る。マスクには効果があるはずだ。効果のあるものは何でも使わないとならない」

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複数世論調査によると、11月の大統領選で再選を目指すトランプ氏は、野党・民主党の候補ジョー・バイデン前副大統領に対して苦戦を強いられている。

BBCのアンソニー・ザーカー北米担当記者は世論調査の結果を踏まえ、トランプ氏の新型ウイルス対策に対する国民の支持率が低下し、再選の可能性が低くなっていると指摘。ホワイトハウスはトランプ氏を再び国民の前に登場させることで信頼を回復しようとしていると、報じられているという。

21日のトランプ氏の会見には以前と異なり、医療の専門家たちは同席しなかった。

トランプ氏は決まった内容に集中して手短に発言し、質問をした記者たちとの言い争いを回避した。

「マスクを着用し、社会的距離を保ち、積極的に衛生状態を保つよう、我々はアメリカ国民に求めている。できるだけ手を洗い、リスクの高い人々を守るようにと」と、トランプ氏は続けた。

「若いアメリカ人にはお願いだから、混雑したバーや、ほかの混雑した屋内での集りは避けてもらいたい。安全に、賢く行動してほしい」

トランプ氏はメディアの前でのマスク着用に、消極的な姿勢を貫いている。自分への政治的なあてつけだけが理由でマスクをする人間もいるなど、主張している。

今月11日、トランプ氏はワシントン近郊のウォルター・リード軍病院を訪問した際にマスクを着用した。メディアがトランプ氏のマスク姿を撮影したのはこれが初めてだった。

(英語記事 Trump concedes coronavirus pandemic to 'get worse'