2020年07月24日 12:20 公開

米司法省は23日、中国軍との関係を隠してビザを不正に取得したとして、中国人4人を訴追したと発表した。

訴追されたのは、王新被告、宋晨被告、趙凱凱被告、唐娟被告の4人。唐被告を除く3人はすでに逮捕されている。

米連邦捜査局(FBI)はカリフォルニア州サンフランシスコの中国総領事館にいるとされる唐被告の逮捕を目指している。

軍科学者の渡米が目的?

司法省によると、FBIは中国軍との「関係を申告していない」複数の人物の事情聴取をアメリカの25都市で行った。

検察側は、こうしたビザの不正取得は、中国軍の科学者をアメリカへ派遣するための中国の計画の一端だとしている。

米司法省のジョン・C・デマーズ次官補(国家安全保障担当)は、中国人民解放軍(PLA)のメンバーが軍との「本当の関係」を隠し、研究者用のビザを申請したと、プレスリリースで述べた。

「これもまた、我々の開かれた社会を利用して、学術機関につけ入ろうとする中国共産党の計画の一環だ」

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中国人3人の逮捕が発表されてから数時間後、マイク・ポンペオ米国務長官は中国からの「新たな横暴な行為」を糾弾した。

カリフォルニア州にあるリチャード・ニクソン大統領図書館での演説で、ポンペオ氏は「あらゆる国のあらゆる指導者に」中国に立ち向かうよう呼びかけた。さらに、中国共産党からの自由を確保することが「現代における使命」だと付け加えた。

アメリカのドナルド・トランプ大統領はここ数カ月、貿易や新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)への対応、香港での反政府的な動きを取り締まる「香港国家安全維持法」の施行をめぐり、中国と繰り返し衝突してきた。

ビザ申請で嘘の申告か

4人は軍で働いたことがない、あるいは現在は働いていないなどと、PLAでの職歴について嘘の申告をしたとされる。

王被告は6月7日、ロサンゼルス国際空港で米税関・国境警備局(CBP)捜査官から尋問を受けた後に逮捕された。

米司法省の発表によると、王被告は現在もPLAの一員で、軍事大学の研究室で働いていると明かした。王被告のビザには2016年に軍を離れたとあった。

宋被告と趙被告は7月18日に逮捕された。

検察側は、宋被告は神経科医で軍をすでに離れているとしていたが、実際には中国人民解放軍空軍(PLAAF)の病院に所属したままだと主張している。

また、軍に所属したことはないとしていた趙被告については、PLAのトップ研究機関に所属していたと主張している。

唐被告はPLAAFのメンバーだと考えられている。捜査官は軍服姿の同被告の写真や、空軍の医科大学で働いていたことを示す証拠を見つけた。

また、唐被告はビザを申請する際、軍に所属したことは1度もないと記入していたとされる。

ヒューストンの総領事館閉鎖を命じる

アメリカは中国人科学者がサンフランシスコの中国総領事館に逃げ込んだと発表した後に3人を逮捕した。前日には、米国務省が知的財産の窃取に関与しているとしてテキサス州ヒューストンの中国総領事館の閉鎖を命じたと明らかにした。

米政府は「アメリカの知的財産とアメリカ人の個人情報保護のために」72時間以内に総領事館を閉鎖するよう命じた。

ヒューストンの中国総領事館はワシントンの大使館を除く、米国内の5つの中国総領事館の1つ。中国は閉鎖は「政治的挑発」だとした。

中国外務省の汪文斌報道官は23日、中国人3人の逮捕が発表される前に、ヒューストンの総領事館が知的財産を窃取しているとするアメリカの主張について、「悪意のある中傷」と反発。中国は「必要な対応を取り、その正当な権利を守らなければならない」と述べた。

中国総領事館で何があったのか

閉鎖命令に先立ち、ヒューストンの中国総領事館の中庭では21日、何者かがゴミ箱内の紙を燃やす様子が録画されていた。

録画では、身元不明の何人かが紙とみられる物を複数のゴミ箱に投入していた。その後、ゴミ箱に水をかける人たちの姿も映っている。

ヒューストンの警察は、「総領事館に立ち入る許可は与えられなかった」が、煙を確認したとツイートした。

(英語記事 US arrests three Chinese nationals for visa fraud