2020年07月27日 12:18 公開

サイモン・リード、経済担当記者

新型コロナウイルスの影響で自宅で働くようになったイギリスの人たちは、紅茶やクッキー、新しい本にかなりのお金を使い、癒やしを求めたようだ。

市場調査会社のカンターは21日、過去3カ月の間にイギリスの消費者が紅茶やコーヒーに使った金額は通常より2400万ポンド(約33億円)多かったと発表した。クッキーについては、通常より1900万ポンド(約26億円)分、たくさん買っていたという。

さらに同社によると、食料品の購入額は7月12日までの12週間で、316億ポンド(約4兆2900億円)という最高額に達した。

加えて英出版社ブルームズベリーによると、本の売り上げも急増したという。

(訳注:イギリスで「biscuit」と呼ぶものには、日本で「ビスケット」と呼ぶもののほか、「クッキー」と呼ぶものも含まれます)

ネットショッピングが急増

「大勢にとって、在宅勤務のコストが徐々に積み上がっている」と、カンター社のフレイザー・マケヴィット氏は言う。コーヒーや紅茶、クッキーやビスケットなどに使った金額のことだ。

ロックダウン中の食料品売り上げは、1994年に記録を取り始めて以来、伸び率としては最大の16.9%増となった。

オンライン・スーパーの利用者も増加した。ロックダウン開始直前の3月は、食料品販売にオンライン・スーパーが占める割合は7.4%だったが、今では13%に増えている。

「行動制限は緩和されたが、直近の4週間に2割以上の家庭がオンラインで食料品を買った」と、マケヴィット氏は話す。

パブやバーやレストランが営業を再開したものの、消費者の半分以上がまだパブにはあまり行きたくないと答えているという。

「店で飲めない、あるいは飲みたくないという人がまだ多いため、店で飲む代わりに自宅に持ち帰って飲む酒類の販売が、今月もまだ通常の41%増だった」

さかんに読書

出版社ブルームズベリーによると、本の販売部数は昨年の2割増で、売上額も28%増を記録した。

「5月に加え、特に6月の販売が好調で、予想外だった」と同社は言う。

J・K・ローリング作の「ハリー・ポッター」シリーズは常に人気だが、特によく売れたという。そのほか、アメリカで黒人男性が警官によって暴行死したことを受けて、黒人の命も白人と同じように大切だと訴える「Black Lives Matter」運動の広がりを受け、人種差別に関する複数の本がベストセラーになっている。

レニ・エド=ロッジ著「Why I'm No Longer Talking to White People About Race(私がなぜ白人に人種について話すのをやめたか)」がこの数週間ずっと売り上げトップにある。また、2016年発表のキャロル・アンダーソン著「White Rage: The Unspoken Truth of Our Racial Divide(白い怒り:私たちの人種的分断について語られない真実)」は、米紙ニューヨーク・タイムズのベストセラー・トップ10入りした。

ブルームズベリーによると、紙書籍の売上額は前年同期の9%増で、電子書籍の売上は前年同期比63%増だったという。

ロックダウン前の買い方に戻るか

カンター社によると、イギリス各地で行動制限が徐々に緩和されるに伴い、人々は戻った自由を受けとめ、ロックダウン以前の生活スタイルに慎重に戻ろうとしている。

毎週の食料品や日用品の買い出しには、少しずつ自信を持って徐々に遠出をする人が増えている様子だという。

「危機の初期にはコンビニエンス・ストアが大勢にとって生命線だった。自宅の近くで、必需品を手に入れるには、コンビニが不可欠だった」と、マケヴィット氏は言う。

あちこちの街角にある小規模な店舗の利用者数は、最も多かった4月に比べると260万人減少した。食料品を買うための移動距離は、最も短かった4月に比べると10%伸びて4.9キロになった。

「ロックダウンの規制が徐々に緩和され、生活に不可欠ではない小売店が再開するに伴い、一部の人はロックダウン以前の行動パターンや買い物習慣に徐々に戻りつつある」と、、マケヴィット氏は説明する。

スーパーマーケットの売上は6月が前年同期比18.9%だったが、7月には14.6%に下がった。

「完全に元に戻るまでには、明らかにまだまだかかる」

入店者数は過去1カ月、まだ前年より15%少なかったが、スーパーに1回行くごとに使う金額は25ポンド5ペンス(約3400円)と、前年同期比35%増だった。これは、自宅で食事や間食をとる回数が相変わらず、ロックダウン以前よりも多いからとみられる。

(英語記事 Lockdown Brits splurge on tea, biscuits and a good book