戦後最大の危機とされる新型コロナウイルス禍による経済的打撃は世界規模で襲いかかり、いまだ出口は見えない。だが、このまま座して死を待つわけにはいかないのが現実だ。

 とはいえ、コロナ禍でよく耳にする「ピンチをチャンスに」は、まさに言うは易し行うは難しであり、実践は困難を極める。ただ、この困難を乗り越えるべく、果敢に挑む経営者集団がある。それが「アジア経営者連合会」だ。

 アジア経営者連合会は7月2日、初のオンラインイベント「アントレプレナーズビジョン~コロナ禍の経営者のリアル~」を開催した。タカショー社長で同会理事長、高岡伸夫氏が総合司会を務め、会員企業のトップら計8人が「緊急対談」として臨んだ。

 緊急対談は、全国に発令されていた緊急事態宣言が解除になり、「アフターコロナ」や「withコロナ」という新たなフェーズを踏まえ、まさにリアルな経営状況と、それに対峙する企業の在り方などについて議論。2人ずつ、4セッションで構成され、今回は会員だけでなく、広く一般の経営者や企業役員などに開放し、延べ約500人が視聴した。

 セッション1は、MS-Japan社長の有本隆浩氏とティーケーピー社長の河野貴輝氏。
 セッション2は、ベネフィット・ワン社長の白石徳生氏と武蔵精密工業社長の大塚浩史氏。
 セッション3は、ビジョン社長兼CEOの佐野健一氏とベクトル代表取締役の西江肇司氏。
 セッション4は、マネーフォワード社長CEOの辻庸介氏とサーキュレーション代表取締役の久保田雅俊氏。

 8人はいずれも1960年代~80年代生まれの若手リーダーとして名を馳せる。コロナ禍以前から、常識や枠にはまった経営方針をとらず、そのカリスマ性と独自の経営理論を打ち立て、業界で一目置かれる精鋭たちだ。
上段左から、有本氏、河野氏、白石氏、大塚氏。下段左から、西江氏、佐野氏、辻氏、久保田氏。
上段左から、有本氏、河野氏、白石氏、大塚氏。下段左から、西江氏、佐野氏、辻氏、久保田氏。
 有本氏は、主に管理部門の人材紹介業を展開する自身の企業について、余儀なくされたリモートワークの利点として、かえって業績を伸ばした社員が現れたことを強調。リモートの方がむしろ仕事がやりやすいと感じる社員が多数いるといった現状を報告した。

 一方、レンタルオフィスや貸会議室の運営管理に取り組む河野氏は、コロナによって大幅なキャンセルが相次いでいる現状を明らかにした。2008年のリーマン・ショックも経験し、今回はそれを上回る状況だが、出社して「密」を避けるためのリモートワークは自宅に限定されていない点を指摘。「自宅近くでリモートワークができる場所の提供といった新たなニーズが生まれ、そこにビジネスチャンスがある」と語った。