高岡 私が経営するガーデン・エクステリアの製造販売をしている「タカショー」の話になりますが、全国11カ所にショールームを持っています。ですが、ここでネット上にショールームを作ろうということになりました。プラットフォームのようなところをつくって、VR(バーチャルリアリティ)でショールームを見ることができ、このWEBショールームでほぼすべて完結できるんです。

 それを考えると、今までものすごい作業量でやっていたことに気づきました。商談して売り込んでみて、相見積もりをかけられて、何度も見積りし直して。10時間もかかっていたものが、ほとんど時間をかけずに可能になる、そういう仕組みがスタートしました。ほんの2カ月半ですよ。

 だから各社がリアルとネットをどう活かすかということです。ネットだけでもだめなんですよ、われわれのビジネスは。リアルとネットをどう融合させていくかが重要で、この数カ月でずいぶん会社は前進しました。

 小倉 ある大阪の大手Yシャツメーカーですが、アメリカの顧客がスマートフォンのアプリで首回りや腕回り、色などオーダーシャツを注文する。その注文がアメリカから大阪のメーカーに入って、その情報をバングラデシュの協力工場に送り、縫製をそこでやるそうです。完成したシャツをアメリカの顧客に物流(配送)するというビジネスをやっています。

 高岡 まさにドイツの第4次産業ですよね。いわゆるマスカスタマイゼーションという、カスタマイズを大量販売型に持っていくという、その典型事例ですよね。

 小倉 ベンチャー型の企業ではなく、わりと古いタイプの会社からそんなことが始まっている。ちょっと私もびっくりしましたね。変化対応というか、ここまできているのかと。そういうことがおそらくこれから出てくるだろうと思いますね。

 高岡 そうですね。われわれ「アジア経営者連合会」は、アジアの各地に支局を持ちながらワンアジアの実現を目指し、各国で仕事の分担もあるんですよ。これをどう組み合わせながらビジネスをしていくかというのが重要で、単なる集まりではなくビジネスをしようということなんです。これらを実践している方々がこの後、オンラインでの開催は初めてですが、各セッションに登場していただきます。

 小倉 アジア各国に進出してビジネス展開するグローバル化はすでにやってきたことですが、IoT(モノのインターネット)、オンラインなどビジネスの現場で遅れていたものが一気に日常化しているわけですね。
小倉正男氏(右)と高岡伸夫氏(iRONNA編集部、西隅秀人撮影)
小倉正男氏(右)と高岡伸夫氏(西隅秀人撮影)
 高岡 それと並行していくのが5G(第5世代移動通信システム)ですよね、この容量とスピードが物を言うでしょう。でも逆にITではない部分も重要です。それは、コロナ禍でまさに重要性が明らかになった健康です。健康と幸せという今まで当たり前だったことがそうでなくなり、課題として目の前にきたわけです。これからは、何にお金を使うかということなんです。

 国連の機関が出している「世界幸福度報告書」の世界幸福度ランキングでは、常にベスト3に北欧の国が入っている。一方で、日本は2020年版では、なんと62位ですよ。今後、おそらくコロナを機に、本当に自分にとって何が大事なのかという部分をマーケットが考えるようになるでしょう。これだけたくさんの人が自分の健康や家族を守るという意識になったわけですから、大きな変化になるはずです。