小倉 会社や本社というものが、銀座や日本橋にあるとかっていうようなことはもはや重要ではないですね。デジタル技術でバーチャルなテリトリーができて、そこで商談が世界的に行われるようになりましたよね。

 高岡 そうです、日本は東京を中心にやっぱり一極集中しすぎですよ。これはある意味リスクですね。海外に行くと世界を狙う会社は大きな空港の傍にあります。世界をマーケットにするなら私は、会社は地方でいいと思います。金融などは東京である必要もあるかと思いますけどね。

 さまざまな分野においてこれからは、地方から世界に出ていくパターンが増えると思います。実際に通勤はそもそも仕事ではありませんし、往復するのに時間をかけることがどれだけ無駄か明らかになりました。コロナの感染の危険性云々以前の問題で、仕事の本質がどこにあるのかを考えなければいけない。従来のままなら、日本の生産性が悪くて当然ですよ。

 小倉 言い尽くされたことですが、東京はやはり集中しすぎですね。バブル崩壊後に一度衰退しかけたけど、容積率のアップなどで結局また集中してしまって。ですからこれがまた防災上も問題になっています。

 高岡 そうですね。最も危険ですよね。

 小倉 政府関係も東京に集中しすぎているわけですから、これを分散するなり、規制緩和で地方に分散する施策を早く進めるべきでしょう。

 高岡 そこで、アジア経営者連合会が最も大事にしているのは関西、または福岡です。なにしろアジアに一番近いわけですから。そのアジアで考えた場合、どこに中心があるかと。もちろん日本の中心は東京なので、今は東京に連合会の本部があってこれだけ企業が集まっていますが、実際、当会の会員は関西出身の方が多い。

 私はこれから地方で、アジアをはじめ、世界に通じる企業が出てくると思います。だからもう少し地方の規制を緩和して、企業がそこに拠点を置けばシンガポールのようにメリットがあるようになればいいですね。
シンガポールの市街地(鳥越瑞絵撮影)
シンガポールの市街地(鳥越瑞絵撮影)
 小倉 ですから税による財源を地方に与えて、自治の名に値するいろんな政策を打てるようなインフラを作っていく必要もあります。

 高岡 私の会社は鳥取県にソフトウェアのオフィスを置いて、今そこで6人ぐらいですけど、どんどんと作り込みを進めています。仕事を作り出すことが地方創生の肝ですから。

 地方創生は政治に任せるものではありません。われわれ経済人がしっかり仕事をそこで創出することが地方創生のスタートでしょう。それはアジアにおいても同じで、アジア経営者連合会が「ワンアジア」という概念の中でどう展開していくかということなんです。