
2020年07月29日 16:18 公開
世界各地のイスラム教徒がサウジアラビアの聖地メッカを訪れる、毎年恒例の「ハッジ」が始まる。新型コロナウイルスの影響で、今年は大幅に規模が縮小されている。
新型ウイルスのパンデミック(世界的流行)を抑えるため、国外からの巡礼は禁止された。
例年は約200万人の巡礼者が訪れるが、今年は1万人ほどと見込まれている。
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巡礼者の大多数は通常、国外からやって来る。ただ今年は、外国人で巡礼が認められるのは、サウジアラビアに居住している人だけだ。
AFP通信によると、先週末からメッカに到着し始めた巡礼者らは、体温測定とウイルス検査を受ける。
巡礼の前後には隔離される。マスクは常時、着用しなくてはならない。
ムハンマド・サーリフ・ベンテン巡礼担当相は、巡礼者は自宅で隔離生活を送った後、メッカのホテルでさらに4日間の隔離をすると、サウジアラビアの衛星テレビ・アルアラビヤに語った。
サウジアラビアでは、新型ウイルスの感染者が27万人以上確認されており、死者は3000人近くに上っている。中東では最大規模の感染国となっている。
3月には大部分の市や町で、すべての時間において外出を禁止するなど、厳格な感染防止対策を取った。先月になってやっと、ロックダウン(都市封鎖)が解除された。
ハッジとは
イスラム教の教えでは、少なくとも一生に1度のメッカ巡礼は、健康で財力があるイスラム教徒にとって、正しく責任ある人生を送るために果たすべき「五行」の1つとされている。
巡礼者はメッカにあるカーバ神殿の周りでアラー(神)に祈りをささげる。
他にも祈りを行い、世界における自らの目的意識を新たにする。