2020年08月01日 12:03 公開

米著名人のツイッターアカウントが多数ハッキングされた事件で、17歳の少年を含む3人を訴追したと、米司法省などが7月31日に発表した。

このハッキング事件の捜査は、フロリダ州法執行局、カリフォルニア州北部地区連邦検事局、 米連邦捜査局(FBI)、米内国歳入庁(IRS)、米シークレットサービスが協力して行った。

フロリダ州タンパの少年(17)と、同州オーランドのニマ・ファゼリ被告(22)が訴追された。

また、カリフォルニア州当局はイギリス南部ボグナー・リージス在住のメイソン・シェパード被告(19)を重罪で訴追した。

イギリスの国家犯罪捜査庁(NCA)は、7月31日にボグナー・リージスで家宅捜索を行ったと認めた。

「法を犯せば、我々が見つけ出す」

カリフォルニア州北部地区のデイヴィッド・L・アンダーソン検事は、今回の逮捕が「気晴らしあるいは利益のための(中略)悪質なハッキング」はうまくいかないことを証明したと述べた。

アンダーソン検事は声明で、「ハッカーの犯罪者コミュニティーには、今回のツイッターのハッキングのような攻撃を匿名で、悪い結果をもたらすことなく実行できるという誤った考えが存在する」と述べた。

「インターネット上での犯罪行為は、それを実行する者にとっては人目を盗んでいると感じるのかもしれないが、誰にも気付かれないということはない。犯罪者になろうとしている者にこう伝えたい。法を犯せば我々があなたを見つけ出す」

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7月15日、多数の米著名人のツイッターアカウントが乗っ取られた。仮想通貨ビットコイン詐欺に絡んだ乗っ取りとみられ、被害に遭ったアカウントでは、ビットコインでの寄付を呼びかける投稿がされた。

このハッキングでは、バラク・オバマ前米大統領や米アマゾンのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)、米電気自動車メーカー「テスラ」のイーロン・マスクCEO、米マイクロソフト創業者ビル・ゲイツ氏、大統領選民主党候補のジョー・バイデン前副大統領、米ラッパーのカニエ・ウェスト氏と妻でタレントのキム・カーダシアン・ウェスト氏らのアカウントが被害に遭った。

犯人は「高校を卒業したばかり」か

フロリダ州ヒルズボロ郡のアンドリュー・ウォーレン検事は、17歳の人物(名前は伏せられている)について、「アメリカ中の人々をだました」として、30件の重罪で訴追した。

30件の内訳は、通信詐欺17件、個人情報の不正使用10件、個人情報の不正使用による総額10万ドル(約1060万円)の詐欺(30人以上が被害)1件、組織的な詐欺1件、許可なしでのコンピューターあるいは電子機器への侵入1件。

「犯人は高校を卒業したばかりとみられる17歳の子どもだ」とウォーレン検事は述べた。「しかし、間違いなく普通の17歳ではない。これまでに見たことのない規模の、非常に洗練された攻撃だった」。

「仮想通貨のビットコインが詐欺で盗まれた場合、追跡して回収するのは難しい」とウォーレン検事は述べた。

「こういった犯罪は有名人や著名人の名前を使って行われたが、(アカウントを乗っ取られた人たちが)主な被害者ではない。この『ビット・コン(詐欺)』はここフロリダ州を含む、国中の一般のアメリカ人から金を盗むことを狙ったものだ」

「この大規模な詐欺は我々の目と鼻の先で画策された。こんなことには我慢ならない」

ツイッターの反応

ツイッターは声明で、「法執行機関の迅速な対応に感謝する。我々は今後、捜査に協力していく」と述べた。

「我々としては、透明性の確保と定期的な最新情報の提供に重点を置いている」

ハッキング被害を受けた後、ツイッターはハッカーが「内部システムやツールへのアクセス権を持つ」同社従業員を標的にしていたと説明。同社の調査が続く間は、このような内部システムやツールへのアクセスを制限するため、「重要な対応」を取っていると付け加えた。

BBCのジョー・タイディ、サイバーセキュリティー担当記者によると、ツイッター従業員は電話を介したスピアフィッシング(特定の組織や人物を狙う攻撃)でだまされた可能性が高いというのが、情報セキュリティ界での大方の見解だという。

(英語記事 Bognor Regis man charged over major Twitter hack