須東潤一(詩画アーティスト・タレント)

 「明日やろうは、バカ野郎」「今日できることは、今日やろう」など、僕の世代ではよく言われてきた時代がありました。

 ですが、特にこの新型コロナウイルスとの共存を余儀なくされた今、これらが当てはまらないことが多いようです。現在は、ニューノーマルという言葉が使われるほど、全く未知の新しい生活様式が始まったと言えるからです。

 こうした中、「明日やれるか、バカ野郎」「今日やりたくても、今日できない」そんな状態ではないでしょうか。これまでは、時間だけが平等だと思っていましたが、そうではない時代が来たんだなと感じています。

 僕の仕事にも平等に影響がありました。僕は詩画アーティストとして活動し、タレントとしてテレビにも出演しています。しかし、コロナの影響で、仕事はキャンセルが続いていました。展覧会の延期や、テレビでは時々リモート出演をさせていただきましたが、それでも影響は大きいです。

 こういうときだからこそ、「今しかできないことをやる」意味があり、僕にとって「今しか描けない線を描く」意味があるんだなと知りました。この「今しか描けない線」とはどういうことなのか。

 元々、僕が絵を描き始めたのは、小学3年の頃で、そのときはまだ詩画ではなく、絵が好きで絵だけをとにかく描いていました。学校で賞などもらえても、それで満足することもなく無邪気に描いていました。
須東潤一氏
須東潤一氏(シンクバンク提供)
 その頃はもちろんこんな日が来ることなど考えもしていないので、いつでも好きなときに好きなだけ絵は描けるものだと思っていました。中学に入ると書にも興味がわき、墨を使い始めました。そして今の仕事である詩画というジャンルで描き始めたのは高校を卒業した後すぐで、そのきっかけが僕の大好きなアーティスト、長渕剛さんの影響です。

 そもそも詩画というのは簡単に言いますと、墨絵とその絵に合わせた詩(言葉)を組み合わせた芸術作品です。絵だけでは成立せず、言葉だけでも成立しない、二つを一枚の紙にガッチリ出会わせることによって完成する世界です。