
2020年08月03日 11:49 公開
マイク・ポンペオ米国務長官は2日、中国企業の動画共有アプリTikTokが安全保障上のリスクになっているとして、ドナルド・トランプ大統領が同アプリに対する措置を「数日中に」取ると述べた。
ポンペオ氏は米FOXニュースの番組で、世界的に人気のTikTokについて、「中国共産党に直接データを提供している」アプリの1つだとした。
また、「中国共産党に関係のあるソフトウエアが生み出す、さまざまな安全保障リスクに照らして」措置を取ると述べた。
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TikTokは中国企業バイトダンスが所有。ユーザーの大部分は20歳未満だという。
トランプ氏は7月31日、米国内でのTikTok利用を禁じる大統領令に署名する考えを、記者団に明らかにした。同国では最大で月8000万人がTikTokを利用している。
TikTokは、中国政府による管理や同政府とのデータ共有について否定している。
「状況を改善する」
ポンペオ氏はこの日の番組で、アメリカで事業をし、中国政府にデータを渡している可能性がある企業は「数え切れないほど」あると主張。そうしたデータには、顔認識の情報や住所、電話番号、他の連絡先などが含まれているとした。
その上で、「トランプ大統領は『もうたくさんだ』と言っており、我々は状況を改善する」と話した。
一方、与党・共和党の上院議員には、アメリカでの事業を分離するというバイトダンスの計画を支持する人もいる。
マイクロソフトによる買収は保留か
リンジー・グレアム上院議員は、「何が正解か? マイクロソフトのような米企業にTikTokを買収させることだ。ウィン・ウィンだ。競争が機能し、データが中国共産党に渡らなくなる」とツイートした。
マイクロソフトは2日、TikTokの米国事業を買収する交渉を継続すると明らかにした。
TikTokなど中国企業が運営するソフトウエアに対するアメリカの対抗姿勢は、このところの米中関係の緊張の高まりを背景としている。両国は、貿易や中国の新型コロナウイルス対策などをめぐって衝突している。