なぜ反日犯罪がなくならない


 ワンピース事件と同日の7月10日、もう一つの“反日事件”がニュースとなった。韓国ソウルの日本大使館がロッテホテルで行う予定だった自衛隊創設記念日レセプションが、ホテル側から開催日前日になって一方的に予約をキャンセルされ、中止に追い込まれたというものだ。産経によると、韓国の有名紙・東亜日報の記事が直前に「(慰安婦問題をめぐる)河野洋平談話の検証、集団的自衛権行使容認などで韓日関係が極度に冷え込む中で開かれる」と批判し、ホテルには抗議電話が殺到したのだという。中には爆破を予告する電話もあったそうである。

 こういう犯罪的で過激な行動をする国民が韓国人の主流だと言うつもりはない。しかし、先ほども述べたが、日本では、こうしたあからさまな差別や暴力に対しては、まず反対側の過激な国民から反発が出て、その間の良識派も出てきて、抑制するのが常である。ましてや主要なマスコミが、一部の過激な行動を煽るような報道することなどありえない。

 しかし韓国においては違う。東亜日報という主要メディアの反日プロパガンダともいえる報道が、率先して問題をたきつけたのである。メディアだけではない。政府もその片棒を担ぐような行動に出たのである。産経によると、日本政府は韓国政府に厳重なる抗議をしたのだが、韓国政府は何と15日になって「日本政府が抗議や懸念を伝えてきたことはない」と、抗議自体を否定したのである。まことに、上から下まで息を吐くように嘘をつく非常識な行動としかいいようがない。

 さらに情けないことに、日本の大メディアである朝日新聞は韓国政府の嘘について全く報じなかったのである。産経記事においては同時にワンピース展中止についても触れることで、これが突発的事件ではなく、ヘイトクライムとも言われても仕方がない韓国の反日差別行為の一例であるという事実に注意喚起がなされていたのと雲泥の差である。

 爆破を予告する電話等の強迫行為について韓国警察は本格的な捜査を行っているのだろうか。ソウルの日本大使館は毎週のように韓国人による「抗議集会」の攻撃目標となっており、卵や糞尿を投げつけられ落書きされるのは当たり前、時には火炎瓶や爆発物まで投げつけられることもあるのだ。そういう蛮行に対して、韓国の警察や司法当局は断固たる措置を講じるべきだが、重罰が科せられたという話は聞いたことがない。

 それもやむを得ない。韓国の司法も政府と同様の反日ぶりで、法の不遡及という法治国家の大原則を無視して親日派の財産を没収するなど、人権弾圧を行っている。そればかりか、日本のアニメである機動戦士ガンダムの商標権を「ガンダムは韓国の普通名詞である」という言い分を認めて、登録を拒否したこともあった。

 さすがに、後になってその決定は無効になったようだが、韓国の司法当局が機能しているのか、疑わざるを得ない。

 ワンピース展や自衛隊創設記念日レセプション中止のようなことが、法治の行われる普通の文明国で起きれば、中止に追い込んだ側は賠償請求を受けても不思議はない。ソウル西部地裁がワンピース展開催の仮処分申請を認めたそうだが、韓国が文明国家であるならば、司法は法を無視できないのだから、この仮処分は最終結論になるはずだが…。

 韓国最大の新聞である中央日報は7月12日付で、「ロッテホテルの自衛隊行事拒否騒ぎを見て」という社説において、こうした狂乱的反日行為を諌める主張を行った。常識的な言論だが、しかしその論旨たるや、日本に対する道徳面での優位を失わないことが何よりも重要であるというものだった。自分たち韓国が正義だが、やり過ぎると諸外国に悪いイメージを与える可能性があるから自重したほうが良いと言っているに等しいのだ。

 こうした事件が逆に日本で起きていれば、朝日新聞など反日サヨクメディアが「差別だ」と大騒ぎし、ほかのメディアもかばうことはせず、中止にした施設側は謝罪に追い込まれていただろう。

W杯ユニフォームが戦犯旗?


 偶然にも同日に発生したこの二つの“事件”が注目されているものの、同種の反日差別事件は韓国では日常茶飯事である。特に近年においては、旭日旗や日章旗を「戦犯旗」と呼び、似たデザインに対するヤクザも顔負けのいちゃもんが頻発している。

 先日のサッカーワールドカップにおいては、日本代表のユニフォームのデザインが「戦犯旗だ」とするいちゃもん広告がニューヨーク・タイムズに掲載され、韓国忠清北道の歴史記念公園に建設された花壇が「戦犯旗に似ている」との抗議を受けたこともあった。

 こじつけにも程があるが、要するに、こじつけであってもいいのである。日本を叩く口実があれば、それでいいのであり、ワンピース展も口実として利用されたに過ぎないのである。日本人がどう気をつけても今後、同じようなことは何度となく起きる。これはどうしようもないのだから、日本も、そういうものだと思って、韓国という隣国と一定の距離を置きながら、つきあうしかないのである。

なかみや・たかし 昭和45(1970)年、北海道釧路市生まれ。豊橋技術科学大学卒業、名古屋大学大学院経済学研究科除籍。学生時代から反朝日新聞、反サヨクを主張。ネットメディア「週刊言志人」を主宰。サブカルチャーや韓国の反日についても積極的に発言する。著書に『天晴れ!筑紫哲也news23』 (文春新書)がある。