2020年08月05日 10:55 公開

レバノンの首都ベイルートの港湾地区で4日午後6時ごろ、大規模な爆発があった。同国保健省などによると、100人以上が死亡、4000人以上が負傷した。

当時の映像では、火災で煙が上がり、その後の爆発できのこ雲が発生した。

当局は、倉庫に爆発物が6年間保管されていたとし、それが原因との見方を示している。

ミシェル・アウン大統領は、2750トンの硝酸アンモニウムが危険な状態で保管されていたのは「受け入れられない」とツイートした。

硝酸アンモニウムはさまざまに利用されるが、農業用肥料と爆薬に使われることが多い。爆発によって酸化窒素やアンモニアなどの有毒ガスが出る。


当局は爆発が発生した経緯について調べている。最高防衛会議は、責任者は「最大限の刑罰」に処されると表明した。

病院は負傷者などであふれ、多数の建物が破壊されている。


アウン大統領は3日間の服喪期間を宣言。緊急対策として政府が1000億リラ(約70億円)を支出するとした。

現場のBBC記者は、多数の死者と深刻な被害で、ベイルートの港湾は機能しなくなっていると伝えた。

ハッサン・ディアブ首相は、爆発を大惨事と表現し、責任者は罪に問われるべきだと述べた。

また、「危険な倉庫」が2014年からあったと指摘したが、詳しくは捜査を待つとした。


地元メディアは、建物のがれきの下で人々が身動きを取れなくなっている様子を伝えた。目撃者は、最初の爆発で耳をつんざくような音がしたと話した。映像には大破した車や爆風で損壊したビルが写っている。

目撃者の1人は、「この辺の建物はすべて壊れた。ガラスとがれきが散乱している暗闇の中を歩いている」とAFP通信に話した。

爆発音は、240キロ離れた地中海東部キプロス島でも聞こえた。

レバノンは経済危機により、古くからの政治的対立が再燃している。7日にラフィク・ハリリ元首相暗殺事件(2005年)の判決公判が予定されていることからも緊張が高まっていた。

「ビルのガラスが降り注いできた」

爆発を目撃したハディ・ナスララさんはBBCに、「火事が発生したのを見たが、爆発が起こるとは思っていなかった。私たちは(車の)中に入った。突然、音が聞こえなくなった。あまりに(爆発地点に)近かったからだろう」と、当時の状況を語った。

「そのあと突然、私たちの車と周囲の車、店、商店、ビルのガラスが粉々になった。ビル全体からガラスが降り注いできた」

「こうしたことが起こるのはふつう、一部の地域だけだが、今回はベイルート全体と、ベイルートの外にも影響が出た。そのことに私たちは衝撃を受けている」


現場付近を取材したジャーナリストのスニヴァ・ローズさんは、「夕方遅くになっても煙が上がり続けていた。街全体が暗くなった。歩き回るのは困難で、人々は血まみれだった」と述べた。

「被害の範囲がものすごい。2キロ離れたショッピングセンターも、外観全体が粉々になっていた」

外国から支援の声

ディアブ首相は、「レバノンを支え、深い傷を癒やすのを手伝ってもらいたい」と述べ、国際社会の支援を求めた。

イギリスのボリス・ジョンソン首相は、「イギリスはできる限りの支援をする。被害を受けた英国民に対してもだ」とツイート。

アメリカのドナルド・トランプ大統領は、「恐ろしい攻撃」だとし、深い同情を表明。マイク・ポンペオ国務長官はツイッターで、「状況を見守っており、レバノン国民を支援する用意がある」とした。

フランスは、医療や支援の物資をレバノンに送っているとした。イラン、サウジアラビア、イスラエルもレバノンへの同情や支援を表明した。

(英語記事 Dozens dead and thousands injured in Beirut blast