2020年08月09日 12:14 公開

インド洋の島国モーリシャスのプラヴィン・ジャグナット大統領は7日、日本の会社が所有するパナマ船籍の大型ばら積み貨物船「WAKASHIO(わかしお)」が同国沖で座礁し、燃料が流出していることを受け、環境非常事態を宣言した。

「わかしお」は日本の海運会社、長鋪汽船の関連会社OKIYO MARITIME社が所有。商船三井がチャーターし、運航していた。

先月25日、モーリシャス沖のサンゴ礁周辺で座礁した。乗員は避難したが、周辺海域に数トンもの燃料が流出している。

事故当時、同船に積み荷はなかったものの、約4000トンの燃料を積載していた。

支援を要請

ジャグナット大統領は、モーリシャスには「座礁した船を引き揚げる技術や専門知識がない」とし、フランスに支援を求めた。

この事故を受け、フランスは8日に支援を表明。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、「生物多様性が危機にさらされている。緊急の行動が必要だ」と述べた。

「フランスはモーリシャスの人々と共にある。親愛なるジャグナット大統領、我々のサポートに任せてください」

モーリシャスのフランス大使館も声明で、汚染防止装置をレユニオン島から軍用機で現地に輸送すると表明した。

モーリシャスの近くにはフランスの海外県レユニオン島がある。


<モーリシャス(MAURITIUS)とフランスの海外県レユニオン島(Reunion)の位置関係>


モーリシャスには世界的に有名なサンゴ礁があり、観光業が経済の重要な役割を果たしている。

国際環境団体グリーンピース・アフリカのハッピー・カンブル氏は、「数千」種もの生物が「汚染された海で溺れ、モーリシャスの経済や食料安全保障、健康に悲惨な結果をもたらす危機」にあると述べた。

わかしおは現在、海洋公園近くの湿地エリア「ポワントデスニー」にとどまっている。

「悪天候で」離礁できず

長鋪汽船は、「現地政府当局並びに関係機関の協力を仰ぎながら離礁を試みておりましたが、あいにく悪天候が続き作業がはかどらず」、「機関室右舷側の燃料タンクに亀裂が生じて燃料油が流出」したと説明。「現在、現地と協力して流出油の回収及び除去作業を続けております」とした。

「引き続き環境保全のため、船内に残存している燃料油の抜き取り及び流出油の回収作業と船舶の安全な撤去にモーリシャスと日本の関係機関と連携しながら全力で対応しています」

商船三井は、「社長をトップとする海難対策本部を立ち上げ、日本およびモーリシャスをはじめとする関係当局と連携して対応しています」、「早期の事態解決に向けて全力で取り組みます」としている。

燃料くみ上げに失敗か

モーリシャスの環境省は先に、荒波の影響で、船を安定させて燃料をくみ上げようとしたが失敗に終わったと述べたと報じられた。

「この種の大惨事に見舞われたのは初めてで、この問題に対処するには装備が不十分だ」とモーリシャスのスディーア・モドゥー漁業相は述べた。

警察は燃料流出について捜査を開始している。

(英語記事 Mauritius declares emergency as ship leaks oil