2020年08月13日 11:44 公開

11月の米大統領選に野党・民主党の正副大統領候補として臨むことになった、ジョー・バイデン前副大統領(77)とカマラ・ハリス上院議員(55)は12日、コンビとして初めて登壇し、ドナルド・トランプ大統領(74)を無能な指導者だと非難した。

バイデン氏の地元、デラウェア州ウィルミントンの高校体育館で開かれたイベントは、新型コロナウイルスの感染対策のためとして一般支持者の入場はなかった。バイデン氏とハリス氏は黒いマスクをつけて登壇し、マスクをした報道陣を前に演説した。

バイデン氏は、カリフォルニア州選出のハリス上院議員が、米2大政党の副大統領候補となる初の有色人種の女性だと指摘。「この11月に迎える選択は、アメリカの未来をこれからずっと長いこと決定する」と述べた。

さらに、「ドナルド・トランプは早くも攻撃を始めた。カマラが、いわく『不快でいやな』人間で、自分が役職に指名した相手に彼女がいわく『意地悪』だったと、泣き言だらけだ。予想通りだ。というのも、泣き言をたれながすのがドナルド・トランプの得意技なので。アメリカの歴史であれほど、泣き言だらけの大統領はいない」と批判した。

「まったく予想通りの反応だ。ドナルド・トランプは強い女性が苦手なので。強い女性はおしなべて苦手なんだ」

バイデン氏はさらに、トランプ大統領のパンデミック対策や気候変動対策、失業率上昇を次々と批判し、「(トランプ氏の)分断に呼びかける、人種差別的な言動の政治」を攻撃した。

「アメリカはリーダーシップを切望」

次に登壇したハリス議員は、「自分は準備万端だ」と話した。

ジャマイカ出身の父とインド出身の母の間に生まれた検察官出身のハリス氏は、「アメリカに実際に影響を及ぼす、大事な節目にさしかかっている」と強調。「私たちが大事と思うものすべて、経済と健康と子供たちと、自分がどういう国に住んでいるのか、こうしたことが全て危うい状態にある」と述べた。

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さらにハリス氏は、「アメリカはリーダーシップを切望している。それなのに今いる大統領は、自分を当選させた人たちより、自分自身を大事にしている」と、トランプ大統領を非難した。

「(トランプ氏は)バラク・オバマとジョー・バイデンから、この国の史上最長の経済拡大を相続した。そして、それまで相続してきたあらゆるものを破産させてきたように、この国の経済もだめにした」

「ひたすら実力不足の人間を当選させてしまうと、まさにこうなる。おかげで、この国はボロボロになってしまった。世界中でのこの国の評判も、ボロボロになってしまった」

トランプ氏の反応は

一方のトランプ氏は、ホワイトハウスで12日に開いた定例会見で、ハリス氏が民主党の大統領選予備選で苦戦したことを嘲笑した。

「彼女の支持率がどん、どん、どんとほとんどゼロにまで落ちていくのを見ていた。彼女は怒り心頭で撤退したんだよ」

「彼女ほどバイデンに失礼な人はいなかった。彼についてひどいことを言った。バイデンを告発した女性の言い分も信じていたようだ」

「それなのに今になっていきなり、副大統領候補になって、バイデンは素晴らしいと言っているんだ」

トランプ氏が言及しているのは、2019年4月に複数の女性がバイデン氏から不適切なスキンシップを受けたと名乗り出たことについて。ハリス議員は当時、女性たちの言うことを「信じる」と述べていた。当時のバイデン氏は当初、女性たちの言い分を否定していたが、後に「社会規範は変化している」、「今後は他人の個人的スペースを尊重する」と問題を認めていた

昨年になるとこの女性の1人でバイデン氏のアシスタントだったタラ・リード氏が、1993年に当時上院議員だったバイデン氏から性的暴行を受けたと告発。バイデン氏はこれを否定している

リード氏の告発が明らかになった当時、すでに大統領選を撤退していたハリス氏は、リード氏には「自分の言い分を話す権利がある」と伸べていた。

トランプ氏自身、複数の女性から性的加害行動強姦を訴えられているが、いずれも否定している。

バイデン、ハリス両氏のイベントに先立ち、トランプ氏はパンデミックの最中にバイデン氏が自宅で多くの時間を過ごしていたことを嘲笑した。

秋からの学校再開を後押ししているトランプ氏は、ホワイトハウスを訪れた教師たちを前に、学生や生徒がずっと自宅学習を続けるのは不健康ではないかと尋ねた。

その上で、「だから、自分が大統領候補で、地下室にいてコンピューターを眺めてるとしたら、それも良くないんじゃないか」と、バイデン氏をあてこすった。

トランプ氏はこのほか、もしバイデン氏らが当選すれば、ハリス氏と親しく、かつ民主党予備選ではライバル同士だったコーリー・ブッカー上院議員(ニュージャージー州選出)が、郊外住宅地の低所得者向け住宅の担当になるだろうとツイートした。これは、ブッカー議員が黒人だということを念頭に置いたものだとみられ、人種差別的だと大勢が批判している。

今後の日程は

民主党が大統領候補と副大統領候補を正式に指名する全国党大会は今月17日から20日まで、ウィスコンシン州ミルウォーキーで開かれる。通常なら全国から大人数が参加する盛大なイベントだが、今年はほとんどの行事がバーチャルで行われる。

バイデン氏も、指名受諾演説を地元から行う予定。

与党・共和党はその翌週の24日から27日にノースカロライナ州シャーロットで党大会を開くが、これも大方バーチャルになる予定。トランプ氏はホワイトハウスで指名受諾演説をする見通し。

大統領選の投票日は11月3日。

それまでの10週間の間に、トランプ氏とバイデン氏は9月29日、10月15日、10月22日に討論会に出席する予定。

ハリス氏はマイク・ペンス副大統領と、10月7日にユタ州ソルトレイクシティで討論する。

(英語記事 Joe Biden and Kamala Harris say Trump has left US 'in tatters'