2020年08月16日 20:19 公開

インド洋の島国モーリシャスの沖合で座礁した貨物船「わかしお」について、モーリシャス当局は15日、貨物船の船体が2つに割れたと発表した。日本の商船三井が運航する「わかしお」からは、すでに重油約1000トンが流出している。

モーリシャス政府の国家災害危機委員会は15日、日本時間同日午後9時半ごろに船体の前方部分がかなり分離しているのが確認されたと発表した。

当局によると、「わかしお」船内の原油は、流出分を除き現地時間12日までにほぼ全量を回収できたもよう。船体が割れた時点で船内に残っていた重油は、約90トンとみられる。

「わかしお」は日本の海運会社、長鋪汽船の関連会社OKIYO MARITIME社が所有。商船三井がチャーターし、運航していた。先月25日、モーリシャス沖のサンゴ礁周辺で座礁した。

積み荷はなかったものの、約4000トンの燃料を積載していた。このうち約1000トンが周辺海域に流出し、小魚や野鳥などの生物や、マングローブ林が広がる地域にまで漂着。生態系への危機をもたらしている。

国家災害危機委員会によると、船体が割れる事態に備え、流出原油を吸収するためのオイルフェンスを補強したほか、周辺で海上保安船が待機していた。

モーリシャス政府は原油流出について、貨物船の「保有者と保険会社」に損害賠償を請求する方針。船主の長鋪汽船は損害賠償を求められていると明らかにし、誠意をもって対応する姿勢を示している。

モーリシャスのプラヴィン・ジャグナット首相は、船内に積まれていた原油4000トンのうち残っていた3000トン以上を回収したと話していた。

船内から回収された原油はヘリコプターで岸へ運ばれ、長鋪汽船の別の船に積まれた。

自然保護団体グリーンピース・アフリカは、原油流出による海洋汚染で、「数千」もの動物の種が「溺れる」恐れがあり、モーリシャスの経済や食料の安全、住民の健康に「深刻な影響」があり得ると警告している。

モーリシャスの海洋生物学者で環境技師のヴァッセン・カウパイムトゥー氏はBBCに対し、現地住民は「原油の蒸気を吸う」羽目になっており、流出に対して「悲しみと怒りがないまぜになっている」と話した。

(英語記事 Mauritius oil spill: Wrecked MV Wakashio breaks up