2020年08月18日 13:47 公開

ロンドンで昨年8月、現代美術館テート・モダンのバルコニーから投げ落とされ重体になったフランス人の6歳少年が、自宅に一時帰宅できるまで回復したと両親が明らかにした。

事件から1年たって7歳になった少年について17日、医療費の支援を募るクラウドファンディング・サイトで、両親が男の子を「週末の間だけ」自宅に連れ帰ったと声明を発表した。

男の子は昨年8月4日、フランスから家族と訪れていたテート・モダン10階にある展望台から投げられ、約30メートル下の5階の屋根に落ちた。

逮捕された当時17歳の実行犯、ジョンティ・ブレイヴァリー受刑者は殺人未遂罪で今年6月に有罪となり服役している。

被害者の男の子は、脳の出血や脊椎損傷など「人生が一変してしまう」ほどの重傷を負った。車椅子の使用を必要としており、少なくとも2022年までは24時間態勢の治療が必要だと、ブレイヴァリー受刑者の裁判で明らかになった。

男の子は事件後、ロイヤル・ロンドン病院で治療を受けた後、フランスの病院に転院した。男の子の名前は法律上の理由で公表されていない。

事件から1年以上たった17日、募金サイトGoFundMeでは、男の子が一時帰宅したという両親の声明が掲載された。

「海に連れて行って、お友達と一緒に砂のお城を作ることができました」と両親は説明。「座っている彼のところに、必要なものを私たちが持っていきます。泳ぐのはもちろん無理です。添え木がないとまだ動けないので」と明らかにした。

「また初めて家に戻りました。自分の家と自分のおもちゃに再会できて、本当に喜んでいました。2階の自分の部屋には行けなかったけれども」

両親は大勢の支援に感謝した上で、自分たちの息子は「少しずつ」文字を読む能力や呼吸が少しずつ改善し、歌も少し歌えるようになった述べた。

「息子はまだ1日の大半を車椅子で過ごし、自力で歩くことはできません。それでも、私たちが手を差し伸べると、前のように彼の全体重を支える必要はなくなりました。今では彼自身がバランスをとる手助けをするという感じです」

「そうやって数メートルは歩くことができます。今では、私たちが支えていれば、階段も1段や2段は上ることができます」

クラウドファンディングのサイトではこれまでに、3500万円近くが男の子の医療費支援に集まった。

実行犯に禁錮15年以上の実刑判決

ロンドン西部ノーソルト出身の受刑者は、幼い頃から自閉症と診断されていた。

オールド・ベイリー(ロンドン中央刑事裁判所)は昨年10月、ブレイヴァリー被告(当時)の名前公表を認めた。

さらに今年6月の量刑言い渡しで、15年以上の実刑を言い渡した。

事件前に受刑者のケアを担当していたハマースミス・アンド・フラム行政区は、対応が適切だったかを重点的に調べている。

裁判では今年2月、被害者の両親が被害者への影響を意見陳述し、受刑者の行動が「自分たちにもたらした恐怖をとても言葉では言い尽くせない」と述べていた。

テート・モダン美術館の広報担当は、「安全性を徹底的に検討し、今後も入場者の安全を守るために最善の行動指針に従っている」とコメントしている。

(英語記事 Boy thrown from Tate Modern balcony 'goes home'