
2020年08月20日 11:11 公開
米IT大手アップルの時価総額が19日、米企業で初めて2兆ドル(約212兆円)を超えた。2018年に民間企業として世界で初めて時価総額が1兆ドルを突破してから、わずか2年で倍増した。
アップルの株価はこの日午前の取引で467.77ドルをつけ、時価総額が2兆ドルを突破した。
このほかに時価総額が2兆ドルに達した企業は、昨年12月にサウジアラビア国内で上場した石油会社サウジアラムコのみ。
しかしその後、サウジアラムコの時価総額は1兆8000億ドルにまで後退している。アップルはサウジアラムコを7月末時点で上回り、世界で最も時価総額の高い企業となった。
好調な売上高
新型コロナウイルス危機の影響で小売店の閉鎖や、中国とのつながりをめぐる政治的圧力に見舞われているにも関わらず、iPhoneを手がけるアップルの株式は今年、5割超上昇している。
アップルの株価は、新型ウイルスのパンデミック(世界的流行)をめぐるパニックが市場を席巻した3月の安値から、実に約2倍に上昇している。
ロックダウン(都市封鎖)が敷かれ、アメリカの景気が後退する中、アップル株はここ数週間で急騰し、コロナ禍の勝者とみなされている。
第3四半期(4月~6月)の売上高は597億ドル(約6兆2500億円)で、製品とサービス面で2桁の成長を遂げた。
アップルに次いで時価総額が高い米企業は、約1兆7000億ドルのアマゾン。
アップルの急速な株価上昇は「短期間での見事な偉業」だと、PPフォーサイトの技術アナリスト、パオロ・ペスカトーレ氏は話す。
「この数カ月の間で消費者や家庭にとって、今までより良質のデバイスや接続性、サービスの必要性がますます重要になった。アップルの品揃えは強力かつ多様で、提供するサービスも拡大している。それだけに、アップルが今後も成長する機会は十分ある」
ギガビット接続できるブロードバンドの到来が、アップルに「無限の可能性」を提供するだろうと、ペスカトーレ氏は言う。
「待望の5G対応iPhoneは、今まで以上に消費者需要を伸ばすはずだ。そこに注目が集まっている」
アップルに次いで時価総額が高い米企業はマイクロソフトとアマゾンで、それぞれ約1兆6000億ドル。その後に、1兆ドル超のグーグルの親会社アルファベットが続く。