2020年08月28日 12:38 公開

フランスのジャン・カステックス首相は27日、新型コロナウイルス対策の強化を発表した。検査を拡大するほか、首都パリでは外出時に顔を覆うことが義務化された。

新型ウイルスが流行している「レッドゾーン」地域の指定も、2カ所から21カ所に増加した。

カステックス首相は、迅速に対応しなければ流行の速度は「かなり速くなる」と警告している。

欧州ではこのところ新たな感染者の増加がみられており、ドイツも対策を強化する方針。

フランスではこの日、過去24時間当たりの新規感染報告が6111件と、5月初めに最初のロックダウン(都市封鎖)が解除されて以降で最多を記録している。死者は48人だった。

全体では、これまでに30万人近くが感染し、3万500人以上が亡くなっている。

カステックス氏は、COVID-19がフランス全土に「広がりつつある」、「否定できないレベルの再流行」が起きていると話した。

パリでマスク義務化

広範囲のロックダウンを回避するため、カステックス首相は28日午前8時(日本時間午後2時)からパリでマスクの着用を義務化すると発表した。

パリでは現在、地区ごとに顔を覆う施策を導入しているが、今回の発表では市街地だけでなく、セーヌ・サン・ドニやオー・ド・セーヌ、ヴァル・ド・マルヌといった各県も対象となる。

対象地域では今後、公共の場を歩いたり、自転車やバイク、スクーターなどで移動する際にはマスクを着けなくてはならない。

パリ市街地はすでにレッドゾーンに指定されていたが、28日からはその周辺も含められる。このほか、南部マルセイユ周辺やジロンド、ボルドーといった地域もレッドゾーンとなっている。

フランス政府はさらに、11歳以上の児童にもマスク着用を義務付ける方針だ。世界保健機関(WHO)は先に、12歳以上の子どもについて、学校でマスクを着けることを推奨すると発表した。

フランスではすでに多くの屋内公共施設でマスクの着用を義務付けており、9月からはオフィスも対象となる。

オリヴィエ・ヴェラン保健相は、9月から新型ウイルス検査を1週間で100万件規模まで引き上げると約束。「検査が必要な人にも、検査したいという人にも」届くようにすると話した。

ドイツはどんな対策を?

フランス同様に感染者が再び増加しているドイツでも、マスクの着用が新しい対策の要となっている。

他の西欧諸国に比べるとCOVID-19による死者が少ないものの、連邦政府は全16州の自治体と新施策で合意したと発表した。

  • 店舗や公共交通機関などでマスクを着けなかった場合、最少で50ユーロ(約6300円)の罰金が科せられる。ただし罰金案には北西部の1州が反対し続けている
  • 大規模集会は年末まで禁止となる。ただし、感染者が少ない州で、集会参加者がその州の住民に限定される場合は、禁止は免除される
  • このため、プロサッカーリーグ「ブンデスリーガ」の試合に観客が戻る可能性はゼロに近い
  • 9月15日以降は、感染リスクの高い国からの帰国者に対しても検査が有料となる。対象者にはすでに、14日間の自主隔離が義務付けられている

イエンス・シュパーン保健相は、国内の検査施設は能力の限界に達しているため、検査対象を絞るべきだと述べた。

一方、フランクフルト空港での検査を請け負っているセントジーン社のフォルクマー・ヴェケッサー氏はBBCの取材で、自社の検査能力にはまだまだ余裕があると話している。

こうした中、「クエルデンケン(既成概念にとらわれず考えよう)」というグループが、29日にベルリンでCOVID-19関連の制限に抗議する集会を開くとしている。すでに2万2000人が参加を表明した。ドイツでは8月1日にも約2万人がこうした抗議デモに参加したが、その大半が右翼活動家や、新型ウイルス否定論者だった。

(英語記事 Mask rule for Parisians amid 'undeniable surge'