2020年08月31日 17:12 公開

大ヒット映画「ブラックパンサー」の主演などで知られる米俳優チャドウィック・ボーズマンさんが、結腸がんのため亡くなった。家族が日本時間29日午前、公表した。43歳だった。

ボーズマンさんは、自分の病気を公表していなかった。

ボーズマンさんはロサンゼルスの自宅で、妻や家族に囲まれて息を引き取ったという。

マーベル映画で初の黒人スーパーヒーローを演じ、多くの子供や若者に「自分と同じような外見の憧れのヒーロー」を提供したボーズマンさんは、「ブラックパンサー」のほかにも、黒人初のメジャーリーグ選手や、黒人初の連邦最高裁判事の青年時代などを演じた。

6月にNetflixで公開された「Da 5 Bloods」では、アメリカの人種差別に激しく怒りながらヴェトナムで戦死する誇り高い米兵を演じた。

将来を嘱望(しょくぼう)されていた名優の急な訃報は、世界中の映画関係者やファンに大きな衝撃を与えた。

「ブラックパンサー」のライアン・クーグラー監督は30日、訃報についてコメントを発表し、ボーズマンさんの病気について自分も知らされていなかったことを明かした。初めて会った2016年からずっと「病気と共に生きていた」ことを、訃報の発表で初めて知ったという。

「チャドは自分のプライバシーをとても大事にしていて(中略)周りを大切にする人でリーダーで、信念と尊厳と誇りの人だったので、自分の苦しみから仕事仲間を守っていた。美しい人生を生きて、素晴らしい芸術を作った」と、監督は書いた。

予定されていた続編「ブラックパンサー2」の準備を重ね、脚本を書きながら昨年を過ごしたというクーグラー監督は、「二度と彼と話をしたり、ビデオやテキストでチャットしたりできない」のが本当に悲しいとして、「これほど鋭い喪失の悲しみは初めてだ」と書いた。

ボーズマンさんが「ブラックパンサー」の他のキャストのオーディションに(大規模映画の主役としては異例ながら)協力したことや、作品をより豊かなものにするため様々な提案を重ねたことなども明らかにした。

「アフリカの色々な文化では、亡くなった大切な人をよく先祖と呼ぶ。その人と血縁のこともあるし、そうでないこともある」とクーグラー監督は書き、ボーズマンさんと会ったときから「自分たちの先祖が彼を通じて語りかけてきた」し、だからこそ偉大な先人をたびたび演じていたのだろうと振り返った。

「辛い気持ちを抱えながら、一度でも彼と共にいられたことを深く感謝しつつ、チャドはもはや先祖になったのだと、その事実を受け止めなくてはならない。また会える時まで、彼はみんなを見守ってくれると承知している」