2020年09月01日 12:17 公開

中国の放送局に勤めるオーストラリア国籍の有名テレビ司会者が、中国当局に拘束された。オーストラリア外務省が31日、明らかにした。両国の関係はこのところ悪化している。

豪外務省によると、拘束されたのは中国の国営放送局・中国環球電視網(CGTN)の司会者、成蕾(チェン・レイ)氏。2週間前に拘束されたという。

成氏はCGTNで8年前から勤務しており、国際ビジネス番組の司会を担当していた。それ以前には、シンガポールに本部を置く米放送局CNBCアジアの中国特派員を務めていた。

豪ABCニュースによると、成氏は「指定された場所の住宅で監視状態」に置かれている。捜査官は成氏を尋問することができ、起訴せずに最長6カ月間、勾留することができるという。

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マリズ・ペイン豪外相は、成氏とテレビ会議システムを通して領事面会をしたと述べた。

豪政府は7月、豪国民が中国で拘束される恐れが高まっていると注意を呼びかけていた。

オーストラリアは、新型コロナウイルスの大流行の起源に関する正式調査を中国で実施するよう求めている。以降ここ数カ月、両国の緊張は高まっている。

31日には、中国がオーストラリア産ワインの輸入について2度目の調査に入ったと発表した。

一方、オーストラリアは先週、地方政府による外国との取り決めを連邦政府が無効にできる法律を計画していると明らかにしていた。中国を念頭に置いた立法とみられている。

豪州に2人の子ども

中国政府は成氏の状況を明らかにしていない。

成氏が拘束されて以降、CGTNのウェブサイトから成氏のプロフィールや記事が削除されている。

豪外務省は成氏の拘束について、8月14日に通知を受けたとしている。

同省は、「オーストラリアの当局者は8月27日、テレビ会議システムを通して、拘束施設にいる成氏と最初の領事面会をした。彼女の家族を引き続き支援していく」との声明を出した。

成氏はオーストラリアに若い子どもが2人いる。豪ABCニュースは、成氏の家族が同氏とここ数週間、連絡を取れていないと伝えた。

家族は声明で、「満足のいく素早い結末」を期待しており、豪当局と緊密に連絡を取っていると述べた。

豪作家も昨年初めから拘束

2019年1月には、中国系オーストラリア人作家・楊恒均(ヤン・ヘンジュン)氏が、中国の安全保障を脅かしたとして中国当局に拘束された。拘束は現在も続いている。

CGTNは、中国の国営放送局・中国中央電視台(CCTV)が所有する、海外向け英語ニュースの放送チャンネル。

中国共産党の管理下で、外国の視聴者向けに放送している。豪シンクタンク・ローウィ研究所は、中国政府がCGTNを使って同国に「好意的な国際世論を形成」し、「世界各地でソフトパワーを向上」させているとしている。

(英語記事 Australian TV anchor detained in China