2020年09月08日 12:48 公開

ベラルーシの著名な野党指導者マリア・コレスニコワ氏が7日朝、首都ミンスクで覆面をした男性らにマイクロバスに押し込められた後、行方不明になっていることが明らかになった。

コレスニコワ氏の現在の居場所は明らかになっていない。インタファクス通信は、警察はコレニスコワ氏を拘束していないと話していると報じた。

コレスニコワ氏は、反政権派の先鋒として、先月の大統領選で現職のアレクサンドル・ルカシェンコ大統領(66)の再選に反対した3人の女性のうちの1人。主要対立候補だったスヴェトラーナ・チハノフスカヤ氏(37)の選挙事務所のメンバーだった。

この大統領選をめぐっては不正選挙の懸念が浮上しており、4週にわたってルカシェンコ氏の辞任を求める抗議デモが続いている。

6日には首都ミンスクなどで行われたデモで600人以上が逮捕された。

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ベラルーシのニュースサイトTut.byは目撃者の話として、7日の朝に覆面の男性らがコレスニコワ氏から携帯電話を奪い取り、同氏をマイクロバスに押し込んだと伝えた。

コレスニコワ氏は、野党が権力委譲のために設置した調整協議会のメンバーの1人。一方ベラルーシ政府は、「調整協議会の創設と活動は、国家権力の掌握と国家安全保障を損なうことを目的としている」として、野党指導者らを刑事訴追した。

反政権派の3人の女性のうち、コレスニコワ氏以外の2人はすでにベラルーシを離れている。

そのうちの1人、ヴェロニカ・ツェプカロ氏は投開票の行われた9日にベラルーシを脱出。チハノフスカヤ氏も11日にリトアニアに脱出した。

チハノフスカヤ氏はコレスニコワ氏の拘束について、調整協議会の活動を阻止するためのものだと指摘。リトアニアから、「(当局が)我々を怖がらせるほど、人々が街に出てデモをするだろう」と声明を発表した。

調整協議会も、ルカシェンコ大統領が「大々的にテロの手段を使っている」と非難した。

また、協議会の広報担当アントン・ロデネンコフ氏とイワン・クラフツォフ事務局長も行方不明になっているという。警察は、拘束についての情報はないとしている。

イギリスのドミニク・ラーブ外相は「コレスニコワ氏の身の安全を非常に懸念している」として、ベラルーシ政府に同氏の安全な帰還を最優先するよう求めた。

BBCロシア語が8月に行った取材でコレスニコワ氏は、一連のデモは「権力を求めるものではなく」、「人間の尊厳と自己尊重を求めている」と説明。ボディーガードを雇用しないことを決めたと話していた。

「バスいっぱいの治安部隊には、何人ボディーガードがいても意味がない。我々は警察国家の能力を把握している」

別の女性活動家オグラ・コワルコワ氏は5日、拘束される恐れがあるためポーランドに脱出したと発表した。

6日のデモでは600人超が逮捕

インタファクス通信の報道によると、首都ミンスクでの6日の抗議デモのあと、警察は帰宅中の参加者を拘束した。この時撮影された動画には、平服の男性らが平和的なデモ参加者を棒で殴っている様子が映っている。

ベラルーシ内務省は、この日だけで全国で633人を逮捕したと発表。

ユーリ・カライエフ内相は、治安部隊の行動を擁護した。

国営ベルタ通信によると、カライエフ内相は「彼ら(目撃者)はベラルーシ警察の残虐性について話しているが、私はこう言いたい。世界のどこにも、ここ以上に人道的で節度のある、冷静な警察はいない」と述べたという。

最近では、黒ずくめの服装にバラクラヴァ(目出し帽)をかぶった治安部隊が、夏休みから戻った大学生を標的にし、路上や大学の建物から所属不明のミニバンに引きずり込んでいる。

デモと警察による鎮圧が始まって以来、これまでに4人が死亡し、数百人が負傷している。

欧州連合(EU)は7日、ベラルーシ政府に対し、抗議を受けた逮捕は「恣意(しい)的で説明がされていない」として、逮捕された市民の釈放を求めた。

EUは8月の大統領選の結果を認めず、ベラルーシに制裁を科すことを決定している。ロイター通信はEU外交筋の話として、ベラルーシ内相を含む31人の政府高官が制裁の対象になる予定だと報じた。

1994年以来、同国の実権を握っているルカシェンコ大統領は、西側諸国の介入を非難している。

一方ルカシェンコ政権を支持しているロシアは7日、同氏が「数日以内」にモスクワを訪問する予定だと発表した。

(英語記事 Masked men seen seizing Belarus opposition leader