
2020年09月15日 15:53 公開
フランスの新型コロナウイルス感染者の急増により、南部マルセイユでは病院のベッドが「ほぼ満杯」の状態になっている。
フランスは12日、新型ウイルスの新規感染者1万561人を確認。大規模な検査を始めて以降、1日あたりの感染者数としては最多を記録した。
9月に入ってから、新型ウイルス感染症COVID-19の発生率は人口10万人あたり312人に上昇している。この状況に、病院は手術数を減らして対応している。
感染拡大の新たな中心地となっているのが、マルセイユと南西部ボルドーの2都市。両都市とその周辺では、集会に関して新たな制限が導入されている。
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13~14日は週末ということもあって、フランスの感染報告は減った。しかし、こうした突出をならした7日間移動平均でみると、28日連続の増加となった。
同国の新型ウイルスの累計感染者は42万5000人を超え、死者は約3万1000人に達している(米ジョンズ・ホプキンス大学の集計、日本時間15日午後)。
「満床も近い」
プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール保健当局トップのフィリップ・ド・メステル氏は、新型ウイルス検査の陽性率がマルセイユで10.6%、同市を県庁所在地とするブーシュ=デュ=ローヌ県全体では8.5%に上がったと述べた。
マルセイユの病院を統括するジャン=オリヴィエ・アルノー氏は、蘇生処置用のベッド35床のうち31床が、COVID-19の患者専用のベッド155床のうち129床が埋まっているとした。
そのうえで、「満床も遠くない」、「国内で最も状況が悪化している」と話した。
ボルドーの病院当局のトップ、ヤン・ブビエン氏は、「ここ10日で(感染者数が)かなり急増している」、「すべての警告シグナルが危険な状況を示している」と述べた。
新たな規制
マルセイユとブーシュ=デュ=ローヌ県では、10月1日まで以下の規制が実施される。
- 大規模な集会は1000人までとし、参加者は1メートル以上の距離を置く
- 学生のパーティーは禁止、学校の遠足は延期する
- 私的な集まりは10人まで。ビーチや公園、その他の高リスク地域でも同様とする
- 27カ所の高リスク地域では、午前6時~翌日午前2時までマスクを着用する。十分に広い野外は例外
ボルドーもほぼ同じ措置を実施。取り締まりにあたる警官を増員する。2~3週間後に措置の見直しをするという。
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