2020年09月16日 12:31 公開

世界貿易機関(WTO)は15日、アメリカが2018年に中国製品に課した関税について、国際貿易ルールに違反していると判断した。この関税は激しい米中貿易戦争の引き金となった。

WTOは、アメリカが中国による不当な技術盗用や補助金を理由に国境税導入の正当性を主張している一方で、その根拠を示していないと結論付けた。中国当局はこの判断を歓迎した。

一方のアメリカ側は、中国に対抗する上でWTOは「完全に無力」であることが示されたと主張した。

米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表は、アメリカが「不公正な貿易慣行に対抗することは許されるべきだ」と述べた。

「WTOパネルの報告は、トランプ政権が4年間訴え続けてきたことを裏付けるものだ。WTOは中国の有害な技術的慣行を阻止する上で完全に無力だ」

「同パネルは中国による知的財産権の盗用についてアメリカが提出した広範な根拠に異議を唱えなかったものの、この判断は、WTOがこのような不正行為に対するいかなる救済策も提示していないことを示している」

米中貿易戦争

中国は2018年、トランプ政権が中国製品に対する関税第1段の準備を開始したことを受け、WTOに提訴した。アメリカは最終的に3000億ドル相当以上の中国製品に関税を課した。訴状によると、中国は同年6月と9月に発動された、2000億ドル相当以上の中国製品に対する関税について提訴した。

アメリカは対中関税について、中国の国家公認の技術盗用や補助金、そのほかの「不公正な慣行」への報復措置であり、1970年代の貿易ルールで認められていると主張した。

しかし中国はこうした関税は中国のみを対象にしており、貿易規制に違反していると反発した。

WTOの専門家パネルはこうした中国側の主張を認めた。また、アメリカは関税対象の製品が不公正な慣行からどのように利益を得ていたのかを示しておらず、道徳的立場で関税の正当性を証明できていないと付け加えた。

「同パネルはそのため、アメリカがこうした措置が暫定的に正当化されていることを証明する責任を果たしていないと判断した」

「前例のない世界的な貿易摩擦」

WTOのパネルはさらに、調査したのはアメリカによる措置のみだと付け加えた。中国による報復措置については、アメリカはWTOに提訴していない。

また、「前例のない世界的な貿易摩擦」について言及し、米中双方に対し、この論争の全面的な解決にむけて努力するよう促した。

中国商務省は15日の声明で、アメリカがWTOの判断を尊重し、多国間貿易システムを維持するために実践的な対応を取ることを望むと述べた。

これまで繰り返しWTOを批判してきたトランプ政権が上訴する可能性はある。しかし、米政府はWTOへの委員の選出を拒んでおり、人員不足で審理が行えない状態が続いている。

(英語記事 US China tariffs violated trade rules says WTO