2020年09月16日 14:37 公開

イスラエルと、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンの両国は15日、米ホワイトハウスで、国交を正常化させる合意文書に署名した。ドナルド・トランプ米大統領は「中東の夜明けだ」と称賛した。

署名した3国も、歴史的な合意だとしている。

イスラエルの1948年の建国以来、同国と国交をもつ中東湾岸諸国はこれで4カ国となった。

トランプ氏は他の国々も後に続くことへの期待を表明。一方、イスラエルと対立しているパレスチナ自治政府は、同様の合意をしないよう他国に働きかけている。

多くのアラブ諸国は数十年間にわたり、イスラエルと国交を結ぶことを拒否してきた。同国がパレスチナとの問題を解決するのが、国交正常化の前提だとしていた。

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関係者らの発言

トランプ氏はホワイトハウスに集まった数百人を前に、「数十年にわたる対立と紛争の末、新たな中東の幕開けを迎えた」、「この日午後にここに集まったのは、歴史の進路を変えるためだ」と述べた。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、「今日は歴史の転換点だ。平和への新たな幕開けだ」と述べ、合意を歓迎した。

一方、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長は、イスラエルが占領地域から撤退することによってのみ、中東和平は実現すると述べた。

仏AFP通信によると、アッバス氏はこの日の関係国の合意署名の後、「この地域の平和、安全、安定は、イスラエルの占領が終わらない限り実現しない」との声明を出した。

イスラエル軍は、アメリカで署名式が開かれている最中にパレスチナ自治区のガザ地区からイスラエルにロケット2発が撃ち込まれたと発表した。

なぜ「歴史的」なのか

UAEとバーレーンよりも先にイスラエルと国交正常化に至った中東地域の国は、エジプト(1978年)とヨルダン(1994年)だけだった。

アラブ連盟に加盟するアフリカ北西部の国モーリタニアは、1999年にイスラエルと国交を樹立したが、2010年に断交した。


今回の国交正常化を受け、サウジアラビアをはじめとする湾岸諸国が同じ動きを見せるかに注目が集まっている。サウジアラビアは今のところ、その兆候は見せていない。

湾岸諸国の多くとイスラエルは、どちらもイランと対立している。今回の国交正常化が、安全保障の面で中東地域に新たな構図をもたらすことが予想される。

<分析>重大な成果――ゲリー・オドノヒュー米ワシントン特派員

今回の合意は、トランプ政権にとって最大の外交成果だ。

パレスチナ問題の解決抜きで、アラブ地域の2つの国をイスラエルとこうした外交関係に持ち込んだのは、アラブ地域全体の結束に向けた大きな動きとなる。

合意の詳細はまだ明らかにされていないが、相互に大使館の設置や通商、渡航などを行うとみられる。トランプ氏は、まだ時間はかかるものの、アラブ地域の他の5カ国が同様の合意に向けて動いているとも述べた。

一方、パレスチナ自治政府の指導者は今回の合意について、中東地域にとって不吉なものだと述べた。パレスチナ自治区ヨルダン川西岸とガザ地区の今後の状況によっては、この日築かれた新たな関係がだめになる可能性もある。

(英語記事 Trump hails 'dawn of new Middle East'