2020年09月20日 10:16 公開

アメリカのドナルド・トランプ大統領宛の郵便物から有毒のリシンが検出されたことが明らかになった。郵便物はホワイトハウスに届く前に押収された。複数の米メディアが当局者の話として19日に伝えた。

当局の話によると、この郵便物は今週初め、ホワイトハウス宛の郵便物を検査する施設で見つかった。封筒の中の物質が猛毒のリシンと確認されたという。

トランプ政権はこれまでのところ、この報道についてコメントしていない。

米連邦捜査局(FBI)とシークレットサービスは、この小包がどこから発送されたのか、アメリカの郵便システムを通じて送られたのかなどを捜査している。

FBIは19日に米CNNに宛てた声明で、「現時点では公共の安全への脅威は確認されていない」とした。

関係筋は米紙ニューヨーク・タイムズに対し、捜査関係者はこの小包がカナダから発送されたと考えていると明かした。複数報道によると、2度の検査の末、リシンの存在が確認されたという。

リシンはトウゴマの種子から抽出される。飲み込んだり吸い込んだり、あるいは注射すると吐き気や嘔吐、内出血、最終的には臓器不全を引き起こす恐れのある致死的な物質だ。解毒剤は存在しない。

影響は量によって異なるものの、リシンにさらされると36~72時間以内に死亡する可能性があると、米疾病対策センター(CDC)は説明している。

CDCはテロ計画で使用されることのあるリシンについて、粉末やミスト状、あるいは錠剤といったかたちの武器に製造できるとしている。

ホワイトハウスや他の連邦政府施設は過去にも、リシンを含んだ小包の標的になったことがある。

2013年には当時のバラク・オバマ大統領や政府職員に宛てた、リシン入りの封書が郵送途中で発見された。翌年には、ミシシッピ州在住の男性が禁錮25年の実刑判決を受けた。

2018年には、国防総省やホワイトハウス宛にリシンを含んだ封書を送ったとして、米海軍の退役兵が訴追された(審理中)。

リシンとは別に、2018年には野党・民主党の幹部や俳優、報道機関などに爆発物の入った小包が送りつけられた。

また2001年にはアメリカの複数メディアや民主党の政治家に、炭疽菌(たんそきん)入り容器の入った封筒が送りつけられた。

(英語記事 Package containing ricin poison sent to Trump