2020年09月22日 15:09 公開

オーストラリア南部タスマニア島の海岸で約270頭のクジラが打ち上げられており、救助活動にあたる人たちによると、そのうち少なくとも90頭が死んだ。命を落とすクジラはさらに増えるとみられている。

多数のゴンドウクジラがタスマニア島西部の海岸に打ち上げられているのは、21日に発見された。

200頭近くがボート進水路近くの砂州で見つかり、30頭近くがそこから数百メートル離れた場所で発見された。さらに約30頭がオーシャン・ビーチ沿いで確認された。

生存しているクジラを救うため、海洋学者たちは数日間にわたる難しい作業に取りかかっている。

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クジラが打ち上げられた理由は不明。クジラが海岸で身動きが取れなくなることは珍しくないが、タスマニア島でこれほどの規模が打ち上げられたのは、2009年に約200頭が打ち上げられて以来。

政府機関「タスマニア海洋保護計画」の科学者らによると、クジラは3つのグループを形成。タスマニア島の突端マクアリー・ヘッズ付近の海岸で見つかった。マクアリー・ヘッズは、船や車で近づくのは容易ではない。


救助活動関係者らは21日遅くに現地に到着。空から確認したよりも数百頭多いクジラが、危機的な状況にあるのを確認したという。

野生生物学者のクリス・カーライオン博士は記者団に、クジラへの接近が困難なため、全体の状況がわかるのは22日になると話した。

救助活動は22日朝、始まった。訓練を積んだ約40人が、器具を使ってクジラを浅瀬から海へと押し戻す作業にあたっている。


カーライオン博士は、「通常は海岸の奥まで完全に打ち上げられた動物を扱っているが、今回は違う。体の半分ほどが海に浮いているので、再び浮かせるのにそれほど苦労しないだろう」と述べた。

ただ、打ち上げられたクジラの中には、救助するには大型過ぎるものや、救助活動が難しい場所にいるものも多いという。カーライオン博士は、「生存確率の高いクジラから取りかかる」と話した。

同博士によると、救助関係者はこれまでの経験から、ゴンドウクジラは打ち上げられても3~4日間は生きられることを知っているという。

ゴンドウクジラは大型のもので体長7メートル、重さ3トンになる。


オーストラリアとニュージーランドの海では、季節ごとに最大1000頭規模の群れで移動する何種類かのクジラが生息している。

研究者らによると、クジラはリーダーに従う性質があり、社会的な結束も強い。そのため、群れ全体が打ち上げられることが起こり得るという。

カーライオン博士は、1~2頭による誤った判断が、今回の打ち上げにつながった可能性があると述べた。

2018年にはニュージーランドの数カ所でゴンドウクジラが打ち上げられ、1週間で200頭以上が死亡した。

(英語記事 At least 90 whales dead in stranding off Australia